植物の持つ癒しの力を活用して健康と若さを保つ、フィトテラピーとは

植物の持つ力が、身体の不調や心のケアに役立つことをご存知ですか?科学的アプローチを用いた西洋医学が発展する一方で、人類は古代から、植物を用いた自然療法を活用してきました。
今回は、植物の力を心身の健康のために使うフィトテラピー(植物テラピー)について、ご紹介します。
植物の力を心身の健康に活用するフィトテラピー
日常生活の中で、公園で森林浴を楽しんだり、テーブルに花を飾ったりすることによって、特に意識していなくても、心が豊かになったり、体調が良くなったりする経験をしたことはありませんか?動物を観察していても、ケガをしたり具合が悪くなったりしているときには、薬草を食べたり身体をこすりつけたりするなどの行動が見られます。
人類は、植物の持つ癒しの力を本能的に知っており、太古の昔から病気やケガの治療などに使ってきました。それを、論理的に体系立てて、心身の健康を保つための自然療法として確立されたのが、フィトテラピー(植物テラピー)です。
フィトテラピーは、人類の歴史の中でもっとも古い療法のひとつであり、人間がもともと持っている自然治癒力に働きかけて心身の健康を保つ、生物としての本能に根差した療法なのです。
植物の持つ固有成分が、若さや美しさに役立つ
フィトテラピーは、古代においては医者や哲学者などにより、経験的に確立され、伝承的に伝わり、直感を頼りにしていたものでした。しかし、現代の最新の研究成果では、植物が持つ固有の成分が、健康を保つために様々な良い作用をもたらすことが、わかっています。
野菜や果物、ハーブやスパイスなどが持つ、植物固有の成分がフィトケミカルと呼ばれるものです。このフィトケミカルには、光合成によって生きている植物が、紫外線を浴びることでできる活性酸素の害から身を守るための、抗酸化物質を作る力があります。
活性酸素は人間の身体の中で増えると、老化の原因になります。植物性食品を積極的に摂取したり、フィトケミカル(植物化学成分)を配合した化粧品を用いたりして、フィトケミカルの力を活用することで、健康寿命を延ばし、若さと美しさを守ることが期待できます。

今、改めて注目されるフィトテラピー
古代ではライフスタイル全般を支えていたフィトテラピーは、西洋医学や薬学が登場して発展するのにつれて息をひそめることになり、代替療法へとそのステージを移していきました。しかし、健康や美容の悩みが多様化している昨今、予防医学や美容の分野で期待され、改めて注目されるようになっています。
身体への負担も少なく、健康や美容に複合的にアプローチできる植物がもたらす力を生活の中に取り入れ、活用してみてはいかがでしょうか。植物の癒しの力を上手に用いて、心身の健康を保ちながら、美しく日常を過ごすために役立てましょう。
人工的なものに囲まれることの多い現代社会だからこそ、植物の自然の力を使い、無理のない健康・美容法を実践していきたいものですね。
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