太陽を讃える世界各地のお祭り

太陽が北回帰線に達すると、北半球では1年で最も長い1日を楽しむことができます。何千年もの間、北方地域の人々にとって、このことは祝杯を挙げ、お祭りをする良き理由のひとつとされてきました。

時代が変化しても、夏至と冬至の日は特別な役割を担い、祝祭と儀式で祝われています。キリスト教はこうした古くからの慣習を維持し、この2つの日に2人の聖人、イエス・キリストとヨハネの誕生日としてきました。以来ずっと、人々は6月24日の聖ヨハネの前夜祭を祝い続けています。この日は多くの国々で、それぞれ特別な方法で祝福されています。

ヒーリングパワーと願いごと(ドイツ)

夏至祭のかがり火は、ドイツおよびオーストリアの多くの地域で、夜、多くの場合、遠く離れた場所からも見える山頂のような場所で焚かれます。かつては、娘たちがセイヨウオトギリソウ(聖ヨハネ草とも呼ばれる)から作った花冠を頭につけたといいます。この時期の前後、植物は花開き、そのパワーは最も強くなります。もうひとつの習慣として、この薬用植物の小枝を、願いごとをかなえるために、枕の下に置くこともありました。

ビーチでの花火(スペイン)

スペインでは「サン・ファン(聖ヨハネ)の夜」として知られ、とりわけ海岸線に沿って、素晴らしい体験ができます。赤々と燃えるかがり火がビーチに焚かれ、その上を跳び越える人々や、願いごとを書いた紙をその中に投げ入れる人もいます。真夜中になると、花火が夜空を照らし、多くの人々が、翌年の幸運をもたらすといわれる、夜の海水浴へと繰り出します。

太陽を讃える世界各地のお祭り

1日が最も短い日(ペルー)

北半球が夏のとき、南半球では冬です。ペルーのクスコにあるインカの都では、「インティ・ライミ(太陽の祭り)」は冬至に行われます。20世紀の半ば以降、毎年、6月24日に数千人もの観客たちがここに集まり、サクサイワマン遺跡のインカの壁の前で行われる劇的なパフォーマンスを見ます。

海辺の光の海(デンマーク)

北欧では、「白夜」が人々を招き寄せ、一晩中、祝杯を挙げるため、聖ヨハネの日は最も人気のあるお祭りのひとつです。デンマークでは、この日は「サンクト・ハンス」と呼ばれ、海岸や湖岸にかがり火の炎が揺らめきます。デンマーク人たちも、白夜を松明とランタンの行列で祝います。この日に開催されるお祭りのほとんどが、北海やバルト海のビーチ、フィヨルドや湾に沿った水辺で行われます。

太陽を讃える世界各地のお祭り

白夜 – 日の暮れない夜(フィンランド)

かがり火は海や湖で明るく燃え盛り、フィンランドの最も短い夜は、盛大なお祭りと、小さなプライベート・パーティとで祝福されます。サウナが焚かれ、来客の歓迎の印に、2本の小さな白樺の木が入口扉の隣に立てられることがよくあります。多くのフィンランド人にとって、この「ユハンヌス」は夏のバカンスの始まりを意味します。

シダの開花(ロシア/ウクライナ)

「イワン・クパーラ」はロシアとウクライナで7月の始めに祝う、火と水の祝祭です。この日はキリスト教の聖ヨハネ(ロシア語で「イワン」)と、スラブの豊穣の神「クパーラ」を結びつけたものです。人々は夜、泳ぎに行ったり、花舟やキャンドルを水面に浮かべたりしてお祝いします。この夜、植物たちは魔法の力によって花を咲かせるという言い伝えがあり、シダもこの夜、開花するとされます。森の中でシダの花を見つけた者は誰でも、その後、永遠の幸せに恵まれるといいます。

太陽を讃える世界各地のお祭り

花々と樫の葉(ラトビア)

ラトビアでは、「ヤーニスの日」と呼ばれ、1年で最も重要なお祭りとされ、数日間にわたって祝います。ほぼ誰もが花冠をつけますが、女性や女の子が花で作られた冠をつけるのに対し、男性は樫の葉で作った冠をつけます。たくさんの歌が歌われ、この短い夜の祭りは焚火のそばで行われます。この夜に眠った者は、その後の1年間ずっと、疲れているといわれます。

木を囲んでの踊り(スウェーデン)

スウェーデンでは、夏至祭のキリスト教的解釈はされず、聖ヨハネが守護聖人となることもありません。夏至は年間で2番目に大きなお祭りです。人々は夏至祭のポールの周りでダンスをし、シンプルに夏の季節をお祝いします。

太陽を讃える世界各地のお祭り

ストーンヘンジでの日の出(イングランド)

太古の昔から、人々は太陽のヒーリングパワーと、その生きる力を与えるエネルギーを崇拝してきました。先史時代の建築物やストーンサークルは、夏至・冬至の日の太陽の位置と並んで建設されました。そうした例のひとつが、イングランドにあるストーンヘンジで、夏至の日の朝、石の回廊を通してその内部へと太陽が輝きます。今日、何千もの人々が、1年で一番短い夜を祝うためにストーンヘンジに集まり、この壮大な石の構造物によって縁取りされた日の出を眺めます。

2018.06.20