ヴェレダの庭師たちの英知② 多様性の尊重

ヴェレダの農園は幸福な場所です。この元気一杯の生命体の中で生育するのは、その天然物質ばかりでなく、自然のヒーリングパワーも提供する植物たちです。

ヴェレダの庭師たちの英知② 多様性の尊重

23ヘクタールに、1000の植物種
140種を医薬品と自然化粧品生産のために使用

ヴェレダの農園はひとつの生き物のようなもので、そこではあらゆるものが関係しています。毎日少しずつ、自然の力についての私の知識を深めていく仕事ができる私は、とても幸運です。

この薬用植物農園での私たちの仕事には、2本の柱があります。
第1の柱は「植物観察」で、ひとつひとつの植物種の特徴と必要とするものを、私たちに教えてくれます。
第2の柱は、「この農園がひとつの生き物のようなもので、そこではあらゆるものが関係しているということを理解すること」です。私たちがこうした関連性を認識し、尊重するなら、多くのことが自然に調整されていく場所なのです。

ヴェレダの庭師たちの英知② 多様性の尊重

例として、ひとつの庭園の自己修復力が、その多様性に比例して増大することの具体例を取り上げてみましょう。

ヴェレダの農園では、私たちは常に、既存の多様性を増大させることを試みてきました。
そのため、小さい草地を敢えて意図的に草刈りをせずに放置し、植物が人為的に介入されていない、小さな島のような部分を残すようなことがあります。私たちにとって雑草は、厄介者として扱うものではなく、小さいけれども重要な特質である、それ自体の目的を持つ随伴植物です。

ヴェレダの庭師たちの英知② 多様性の尊重

動物たちはもうひとつの農業の側面で、ヴェレダ農場の入口での羊の放牧は、単に来訪者向けの牧歌的風景のためにそこにあるわけではありません。羊たちは時折、農場の中に入ることが許され、イヌサフランの周りの草を食べ、芝刈り機の作業の一部を助けます。多くのことが、ここではこうした形で行われており、鴨たちはカタツムリが増え過ぎないよう役立っています。蜜蜂たちと野生の蜂は、私たちの偉大な助っ人でもあります。

自然と人類

自然が均衡状態にあるならば、私たちが介入する必要があるのは、例外的な場合だけです。
例えば、私たちは雑草を水で煎じたものを使って、栽培する植物を強化します。クサバカゲロウや寄生蜂といった益虫は、温室の中で私たちを助けてくれます。

そして勿論、私たちは良質な堆肥を確実に得られるように工夫しています。
堆肥は農園からの残骸、場合によってはゴミとされるようなものから作られます。私にとって堆肥は、この農園の心臓部です。あらゆるものが停止し、その要素をあらためてもう一度、構成し始めるのがここだからです。しかし究極的には、違いが生じるのは、地中のミネラル成分や腐植含有量、あるいは酸性度や微生物といった、測ったり、予想できたりする要素からだけではありません。

自然の栽培サイクルの中に、宇宙と地球の力を取り入れることも大切です。宇宙と地球の力を自然栽培のサイクルに取り入れることは、古くは世の中でも一般的な慣習でした。

ヴェレダの庭師たちの英知② 多様性の尊重

春、私たちは細かく砕いた石英結晶とともに梱包した牛の角を、夏のパワーに曝すよう、土の中に埋め込みます。これは、本当に特別な体験です。秋になると、私たちはそれらを掘り出し、翌年、植物への非常に細かいスプレーとしてその中身を塗布します。
こうすることで、植物は、日光から送られるエネルギーをよりよく吸収することが可能となり、植物の成長と開花プロセスをサポートします。そのポジティブな作用は、ヴェレダのバイオダイナミック農園の強力に根を張った土壌の中に反映されます。(*1)

*1 バイオダイナミック有機栽培農法における「調合剤501番」のこと。「調合剤」は、土を豊かにし植物にパワーを与えるためのバイオダイナミック有機栽培農法独特の方法で、土壌に栄養を与えることを目的とした一般的な肥料とは異なる。

ミヒャエル・シュトラウブ
シュヴェービッシュ・グミュント(ドイツ)植物栽培研究長
農業技術者。ヴェレダの野生生物保全担当責任者としても活躍しています。

2018.08.06