Arnica
アルニカ

アルニカ(学名:アルニカ・モンタナ)は何世紀にもわたって、筋肉損傷、打撲、捻挫などの治療に活用されてきました。判明しているだけでも、アルニカには150種類の薬学的に有効な天然成分が認められています。ヴェレダではアルニカエキスを自然医薬品の重要な成分として医療用軟膏に配合しているほか、化粧品にも使用しています。
筋肉疲労や打撲の手当てに
フレッシュハーブ(生)のアルニカは、ドイツにある複数のパートナー企業の有機栽培アルニカが供給源となっています。一方でドライハーブ(乾燥)のアルニカは、ルーマニアで採集された検査された野生のものを調達しています。ヴェレダはルーマニアのカルパチア山脈でパートナー会社と協力し、薬用植物をサステナブルに野生調達するパイオニアとしての役割を果たしています。
植物の野生採集
薬用植物の多くは、長い年月をかけて生息地に順応しています。アルニカもまた、人の手を加えられた牧畜用地や農業用地にもうまく順応し、生息してきました。しかし人工的な介入が度を越えてしまうと、植物本来のデリケートなバランスを乱してしまいます。特に人工的に牧草地を集約利用するような荒っぽい環境変化には、アルニカは非常に敏感です。肥料が大量に投入されると土壌の栄養バランスは大きく崩れてしまい、乱獲によってアルニカの平穏だった生育環境は乱されてしまいました。その結果、アルニカは生息が困難になり、かつて生息した地でも今は消えてしまっているということも起きています。
私たちはフランスのヴォージュで似たような経験をしたことから、アルニカの絶滅危機に瀕した状況に警鐘を鳴らしてきました。そしてWWF(世界自然保護基金)や景観生態学者らと協力し、適正な採集環境をつくりあげる活動を行いました。重要な薬用植物をいつまでも収穫できるようにすることが狙いです。野生の生育環境を守るため、花の採集は慎重にコントロールされ、すべてを手摘み、収穫量も限定されています。牧草地は家畜のためだけに利用され、肥料は使用しません。こうした厳しい基準がしっかりと守られるように、アルニカに携わる農家は、地元の協同組合が定期的に開催するトレーニングに参加しなくてはなりません。収穫農家の大半は牧畜農家や木材生産者ですが、アルニカの開花期間に収穫を手伝うことで一定の臨時収入が望めます。ヴェレダは2010年以降熱心に働きかけを行い、アルニカの採集地域をカルパチアの他の地域にも広げてきました。資源を永続的に利用し貴重な生物多様性をもつ牧草地を保護するという考え方を広めてきました。
現地の地元調達のサステナブルなエネルギー
2007年に私たちが委託して新たに建設された乾燥施設もまた、カルパチア山脈のアルニカ・プロジェクトの根幹を担っています。建設には地元の余剰な木材を有効利用し、加熱にはサステナブルなエネルギーを使用しています。この施設のもつ重大な意義は、農家や協同組合のメンバーが、各々が独立した自営のヴェレダ・パートナーになることができるということにあります。逆にヴェレダにとっては、熟練した乾燥技術のおかげで、高品質のアルニカ花(ドライハーブ)が安定的に調達ができるメリットがあります。また、プロジェクトが円滑に進むように、試験区画で育てたアルニカを詳細に観察し、科学的なモニタリングのサポートをしています。この研究で、いかなる変化も早期に発見し、長期的な採集や収穫管理を行うための貴重なデータを得ることができます。
このページの表記は、植物成分の一般的な性質を述べたものであり、製品の効果・効能を示すものではありません。