Ratanhia
ラタニア

ラタニア(学名:krameria lappacea)はペルー南部の都市アレキパ周辺の乾燥した土地に生息する、とりたてて目立つことのない低木植物です。厳しい気候のアンデス山脈の岩場に育ち、土壌の浸食や乾燥にも耐えうるよう分散して張る根をもっています。ヴェレダにおいては50年以上にわたってデンタルケア製品に欠かせない重要な植物で、野生からサステナブルに採集されています。
デンタルケアに有効。アンデス山脈で野生採集された、サステナブルなラタニア。
ラタニア(クラメリア トリアンドラ)はペルー南部の都市アレキパ周辺の乾燥した土地に生息する、とりたてて目立つことのない低木植物です。厳しい気候のアンデス山脈の岩場に育ち、土壌の浸食や乾燥にも耐えうるよう枝状に広がる根をもっています。ヴェレダにおいては50年以上にわたってデンタルケア製品に欠かせない重要な植物で、持続可能な方法で野生採集されています。
ヴェレダが最初に目指したのは、野生植物を栽培するという可能性へのチャレンジでした。ラタニアが果たしてうまく増殖・成長できるのかをリサーチするために、アレキパ大学の植物学教授ファティマ・カセレス氏とドイツ人研究者マック・ヴァイゲント、ニコラス・ドスタート両教授が共同して、官民パートナーシッププロジェクトを立ち上げました。2006年まで続いたリサーチ段階では、2つの理由でラタニアの栽培はほぼ無理だろうと思われました。1つ目は、ラタニアは半寄生植物で水分や栄養価の高い塩分を他から吸収して育つため、他の植物種を植えないと栽培できないと実現は難しいとされました。2つめのハードルはラタニアの生物学的な特殊性に起因するもので、ラタニアはその成長がきわめて遅いということでした。成長して最初の収穫を迎えるまで7年から15年かかるため、土地を維持するための投資も努力も非常に複雑で非現実的だったのです。
世界市場からのプレッシャー
ヴェレダにはもうひとつ問題が立ちはだかっていました。ラタニアは世界的にも希少価値の高い薬用植物として取引されており、リスクも大きかったのです。国際取引市場では少なく見積もっても7万種の植物が流通しており、年間50万トンもの薬用植物が収穫されています。こうした植物は世界の経済活動の中心地で売買され、複雑な流通体系ゆえに生産者が参加したところで多くのインセンティブは期待できません。これはラタニアも例外ではありませんでした。公式な数値によると、ペルーは1年あたり約40トンのラタニアを輸出しています。そのうち1トンはヴェレダ社が取引していますが、出荷元のほとんどが不透明でした。そこで2002年、ヴェレダは持続可能な調達プロジェクトを実現するため、自然保護団体"INRENA"(the National Institute of Natural Resources)、科学者、農家、取引業者、そしてドイツ国際協力公社(GIZ)とパートナーシップを結ぶことにしたのです。
野生植物のサンクチュアリ
この協力体制のおかげで、アレキパ地区に2000ヘクタールにもおよぶ持続可能な野生植物のための“聖域”をつくることができました。ラタニアの再生サイクルと年間の成長パターンを集中的に研究するために、3つのサンプル区画に分けて植物目録が作成されました。こうした研究の成果は、持続可能な採集計画の基礎づくりに役立ちました。最初は根の一部だけを収穫していましたが、リサーチャーとヴェレダのプラントバイヤーはシンプルで画期的なある方法に行き着いたのです。それは採集エリアを5つに区分けしそれぞれ5番目になった根だけを収穫する、という方法です。収穫をした場所には新たなラタニアの種を植え、植物の持続的な再生を守ります。こうした自然再生活動が成功であったこと、ラタニアの未来が守られたことは、長年の観察と分析をみれば明らかです。
ドイツとペルーのパートナーの方々と協力を開始してから10年、このプロジェクトのおかげでヴェレダのデンタルケア製品に不可欠なラタニアはきちんと確保できるようになりました。ペルーのチュキバンバで毎年1トンの乾燥根が収穫され、ヨーロッパで加工されています。ラタニアは持続可能な採集計画にのっとって採集されており、農家は大切な収入源の一部として公正な賃金を受け取っています。ヴェレダ社はサステナブルで透明性の高い安全な植物を調達できるとともに、この貴重な知識をラタニア以外の野生採集プロジェクトの発展に応用することもできるのです。
こうしたヴェレダの尽力とパートナーの方々からのサポートは、注目を集めることになりました。ペルーにおける天然資源保護当局は、この“持続可能な採集方法”をラタニアの輸出を望むすべての企業に対し、法的に適用することを考えたのです。これにより、持続可能な採集方法を行っている企業だけがペルーから輸出することを認められることになります。近い将来、この戦略は他の薬用植物にも適用される可能性も考えられ、持続可能な生物多様性にむけた重要なステップとなるでしょう。
このページの表記は、植物成分の一般的な性質を述べたものであり、製品の効果・効能を示すものではありません。








