昨年の夏、この欄で「身近な毒草」について記しました。以下の写真と植物図鑑のコピーを添付してありましたので覚えておいでの方もいらっしゃるかと思います。
その際、ドイツ語でアーロンシュタープ(Aronstab:学名 Arum Maculatum)というこの毒草の和名をご存知の方がおいででしたらご教示くださいとお願いしましたら、旧知の薬剤師の方が『マムシアルム』だと教えてくださいました。遅ればせながらこの紙面を借りて厚くお礼申し上げます。
コラムにはさらに「春先のマムシアルムを見てみたいものだ」と記したのですが、この毒草を見つけた場所を記憶に留めてありましたので4月に入ってからというもの、散歩の際はその場所を必ず見て歩いたのですが見つけることができず、「見ることができるのは5月に入ってからかもしれないな…白い仏炎苞だから見落とすことはあるまい」とタカをくくっておりました。そしてイースターの連休(今年は4/19~21日と遅めでした)に家内の実家のウラにある森を散歩していましたら、突然家内が「あ、マムシアルムだ!」と声を上げまして、家内が指さす方向を見ても、「白い仏炎苞」など全く見当たりません。よく見ると大きな槍の先のような形をした葉に隠れて、白ではなく黄緑色の苞の背面を見つけることができました。苞の長さは10センチ足らずで中に数センチほどの円柱形で褐色の花穂があります。(下の左の写真)。ひょっとして小生の散歩コースにもあるはずで、うっかり見落としていたに違いないと思い至り、さっそく翌日歩きましたらはたして、閉じた苞に交じって巨大な開いた苞(約20センチ)が見つかりました(下右の写真)。家内の実家近くのものと大きさが倍ほど違います。
こうなりますと次は、いつどのようにして褐色の花穂がオレンジ色の実になるのか知りたいところです。
そしてその一週間後、ミュンヘンにあるニンフェンブルク宮殿の庭園で、ミュンヘン在住の小生の長男の案内で野鳥観察をしていたのですが、いたるところにイヌサフランが芽生えていまして、近くのエリアではギョウジャニンニクの近種のベアラウフも見かけます。「これってヤバイんじゃないの?日本ではイヌサフランをギョウジャニンニクと間違えて食べて食中毒を起こすことが度々あるようだけど」と家内に聞きましたら 「ベアラウフは近づいただけで臭いがするし、葉を擦れば臭いは強烈になって間違えることはまずない。牧草地で牛はイヌサフランを食まないよ」という返事がありました。そこへ長男が「オーストリアの牧草地ではトリカブトがそのまま放置されているよ!」と発言。
イヌサフランもトリカブトも牛が食まないというのはさもありなんですが、トリカブトなんて猛毒のハーブです。ひと昔前に日本であったトリカブト連続殺人事件を思い出し背筋が寒くなりました。トリカブトを別の食用野草と勘違いして食中毒になるケースもありうるとかで、イヌサフランといい、トリカブトといい、似たような野草と見間違わないよう細心の注意を払うべきなのは当然ということになります。








