さきごろ、あるドイツの雑誌を斜め読みしていて「共感覚」という言葉が目に留まりました。副題に「音楽に味や色を感じることができる人」とあります。思い当たるフシがなきにしもあらず…ですので腰を据えてこの記事を読んでみました。
「共感覚」というのはドイツ語でSynästhesie (英語:Synesthesia)、つまりSyn=「一緒」とaisthesie=「感覚」からなる複合語で、通常の感覚だけではなく、違った種類の感覚をも共に感知する神経生物学的現象。具体的には音に色を感じることや、数字や文字に色を感じることなどで、共感覚を持つ人はドイツでおよそ500人に1人。特に画家、詩人、作家などの芸術家に多いとあります。漢字だけみれば「共感を覚える」と早合点しそうなのですが、「感覚が共になる」という意味なんですね。だったら「重複感覚」という漢字を当てはめたほうがいいのに…と思うのですがすでに「共感覚」という言葉が日本では定着しているようです。
記事の先を読みますと、作曲家のリストにはオーケストラのリハーサルで「そんなにピンクではなく、もうちょっと青く」と要求したという逸話が残っているし、画家のカンジンスキーは「色彩の響き」を発展させて絵画の「色彩シンフォニー」を作成し、自作に「コンチェルト」とか「フーガ」と名づけている…とあります。音と色の関連については、なんとなくわかります。しかし数字や文字にまで色を感じるとなると戸惑ってしまいます。記事にはデジタル数字の2と5がランダムにばらまかれている図があり、一見してどこに2があるのかわからない。ところが共感覚者はたとえば2は赤、5は緑と、数字に色をみるので即時に2を判別し、しかも2が三角形を構成していることまで見抜くというのです。しかし数字に色がついていたら、筆算をする場合など目移りして計算なんてまともにできない。このタイプの共感覚者の方には筆算の苦手な方が多いに違いないと邪推します。また文字の方はフランスの詩人、ランボーが「母音」という詩を書いていて、いきなり第一行目でA=黒、E=白、I=赤、U=緑、O=青と決めつけていますが、随分乱暴な話で、すべての共感覚者がこの母音と色の関連に共鳴するわけではありません。言い換えればどの共感覚者も自分なりの母音と色の関連をもっているのです。
小生は以前から音階に色を感じていまして、ハ長調は白(別にピアノのキーを連想するわけではないのですが)、シャープが増えて、ニ長調、イ長調となると青い色調になり、ホ長調で紫になります。フラットではヘ長調が暖かい黄色で、フラットが増えていくと黄土色が濃くなっていくように感じます。これって共感覚の軽症なのでしょう。以前、音楽家の端くれだったことの名残だと思います。
一般人に比して芸術家には共感覚を持つ人が7倍多いとも記されていました。このコラムをお読みになって、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」をカラーで知覚されたようでしたら、あなたは共感覚者です!








