4月下旬、グミュントの西20kmのところにあるウアバッハ(Urbach)という人口9000人足らずの村で陶器市が催されるというのでコラムのネタ探しを兼ねて見物に出かけました。「お住まいのところでは、のべつ幕なしに〇〇市とか△△祭があるようで退屈しなくていいですね。よほど騒がしいことが好きな地方なのでしょうね。呆れました」などというコメントをいくつか頂戴しましたが、そのとおりですのであえて反論いたしません。
陶器市にはおよそ60の陶芸家が作品をブースに所狭しと陣列し、日本のそれと同じく日常生活になじんだ物品が多数展示即売されていました。朝10時すぎに会場に着いたのですが、すでに盛況でした。
最初に訪れた店ではマグカップがズラリと並び、棚の一番上にはタマネギを保存する容器が見られます。そして別のコーナーにはパンを保存する大きな容器がありました(一個9000円)。こういった容器はさすがに日本では見当たらないでしょう。
マグカップやコーヒーセットは格調の高いものから低いものまで多種ありまして、以下にいくつか紹介いたします。
極めつけはブリキ風のコーヒーセットで、ご丁寧に缶の凹みをも再現していまして、ちょっと見では陶器かブリキなのか区別がつきません。手前に缶詰のようなものが蓋つきで置いてありますが、どうやら砂糖か何かを入れる物のようです。
同じように思わず笑ってしまったのが、ハーブの名前をつけた棒です(一本850円)。庭先に種を蒔いたのはいいが何の種だったか忘れてしまったという粗忽な人のためのものでして、ただの棒きれに紙を貼り付けたように見えますが、全体が陶器です。添付しました写真には左からルコラ(Rucola)、アサツキ(Schnittlauch)、雑草(Unkraut)とありまして、雑草にまで名札を付けるのもご愛嬌かと思っていましたら6番目に『さっぱりわからない』(KeineAhnung)という切実なのがありました。ドイツ人のジョークも見捨てたものではありません。
もちろん芸術的な作品もありました。二つだけ紹介しますと、一つは庭用の置物で、いろんな人物だけではなく人魚まであります。もう一つは一辺が20cmぐらいの立方体の陶器で壁に飾るものらしいです。いろんなデザインや穴の開いたものもあり、なかなか洒落ていまし
た。
また楽焼を扱うブースも2軒あり、こってりしたドイツ風陶器の中で、質素な和風陶器に出会ってホッとした気分になったのですが、30年ほど前に親しくしていた陶芸家の友人のところで楽焼のワークショップに参加したこともあり、ホッとした気分の中に幾許かのなつかしさがありました。
ふと目に留まったのがカエルやカメの陶器と遊んでいる小さな男の子で、その横にはこれも陶器の花が無造作にバケツに挿されていました。
およそ2時間ほど陶器市を見て回り、いくつか楽焼の湯呑を購入して、人混みが激しくなる前に帰途につきましたが、先回の「藁の世界」よりはずっと楽しめました。








