先月、グミュントから急行で1時間40分ほど離れたニュルンベルクに出向き、オーガニック展を見てきました。ブースは大小とりまぜ1000以上という大規模なもので食品、衣類、日用品、化粧品などが出店していてなかなかの盛況でした。
で、いきなり目に留まったのがアルコールフリーのオーガニックワインのブースです。アルコールフリーのワインというのは今まで聞いたことがありませんし、しかもオーガニックだというので直ちに試飲してみましたが、一番売れ行きのいい赤ワインとはいうものの何か物足りません。製造業者のチラシにはアルコールの除去は、発酵させた普通のワインを真空状況に置いて28℃に温めてアルコールを気化したあと冷却して液体とすることでワインから分離するとあります。このような穏やかな方法でアルコール分を除去したワインは味と香りにおいて従来のアルコールを含んだワインにひけをとらない…と記されていますが、「そこまで言うのはどうかなぁ…」というのが小生の正直な感想でした。
で、考えてみたのですが「たかだか二口、三口を試飲しただけでアルコールフリーのオーガニックワインをそう簡単に否定することはできない」、「アルコールフリーとオーガニックという二つの事柄をクリアするというのは相当なハンデである。まず、オーガニックではないアルコールフリーのワインを試してみる必要がある」と思えましたので、自宅に戻りさっそく3種のオーガニックではないアルコールフリーの赤ワインを発注し、ワインに詳しい知人夫婦を自宅に招いて検定させてみました。彼が選んだのはCabernet Sauvignonで、香りを嗅いだり色を見たりして懐疑的な表情を浮かべながら、おもむろに飲んでみて「これ、ワインとは全く違うよ」でおしまい。どうやらアルコールフリーというのが大きなネックだったようで「議論には及ばない」とでもいいたげでした。
しかし意外なことにワインに関して詳しくない、アルコール飲料を嗜まない(はずの)家内が「いや、このアルコールフリーの赤ワインはきっと温度に敏感なんだよ。地下室から取り出してきていきなり飲んであれこれ議論するべきではない。酸味が強すぎるけど室温にしてからもう一度試飲すれば違った印象を受けるかもしれない」などと一端の専門家気取りで意見を申し立てたのには驚きました。一理あるコメントですが、温度がそこまで影響があるのか疑問です。
たしかにオーガニック/ノン・オーガニックにかかわらず、アルコールフリーのワインには改良の余地があります。アルコールフリーのビールは一般に「甘い」という欠点がありますが、十分普及してきていますし、苦味が効いたものもあります。アルコールフリーのスパーリンクワインもドイツではよくみかけるようになってきています。ビールもスパークリングワインも普及しているのは、炭酸でもって、ノン・アルコールのハンデを軽減することができるからだと小生は考えます。ためしにアルコールフリーの赤ワインをミネラルウォーターで割ってみましたら、芳香がすっきりと感じ取れ、ストレートよりも好感が持てました。ちなみにアルコールフリーのオーガニックワインは一本(750ml)約1000円ほどです。
ドイツではアルコールフリーのビールはアルコールの含有量が0,5%以下となっています(つまり普通のビールの1/10)。0%ではありません。小生がオーガニック展で試飲したワインは0,2%以下という説明がありました(つまり普通のワインの1/60)。これぐらいでしたらアルコールを受け付けない体質の小生にも問題なく飲めます。
ドイツの肉料理には赤ワインがよくマッチします。親しい友人たちと夕食を共にしていて、雰囲気が盛り上がっているときに一人だけ場違いのミネラルウォーターを飲むというのは辛いものです。アルコールフリーのワインの改良にはまだ時間がかかりそうですが、大きな期待を寄せたいと思います。








