先般家内が満50歳となり、家族友人が「花や本を贈るのは月並みだ。何かビックリさせるようなプレゼントはないか?」と苦慮の末考えついたのが,なんとミツバチ。小生はハチは苦手でして、小学生の頃ブドウ狩りに行って後頭部をハチに刺され、一日中すざまじい激痛に襲われて以来、ハチには近寄らないようにしています。
で、このことを承知の家族友人から「ねぇ、みんなでクリスタ(註:家内の名前です)にミツバチセット(ミツバチ群、巣箱、手袋、顔網などの道具、その他諸々)を贈ろうと思うんだけどいい?」と聞かれた時は即座に反対したのですが、家内がミツバチの生態に並々ならぬ興味を持っていることは周知の事実でして、ビックリ効果のあるプレゼントはミツバチ以外にないということになり、渋々承諾しました。
そして誕生日パーティの数日後、趣味で養蜂をしている友人が、分割したミツバチ群二つを小さめの巣箱に入れてやってきました。そして庭の一角に巣箱を設置すると家内は喜色満面で毎朝毎晩ミツバチを飽きることなく見るようになり、小生も「ミツバチというのはさほど危険ではないのだな」と安心していたのですが、その一週間後の昼前に驚くべき事態が生じました。数百匹のミツバチの大群が巣箱付近を飛び交い、ブンブンという唸るような飛翔音が異常にうるさく、恐怖心を起こさせます。慌てて友人に電話を入れたのですが連絡がつかず、やむなく「ミツバチセット一式」の中に入っていた「養蜂入門ガイド」の「ハチが群れを作って唸ってる場合の対策」の項を急いで斜め読み。
それによりますと
①興奮して飛び交うハチの大群は30分~60分でおとなしくなるのであわてずに静かに待つ。
②原因は群のなかに女王蜂が2匹出現したことで、古い方の女王蜂の群が巣箱から出る。
③彼らは新しい住みかを探そうとするが、とりあえず付近の高い木の枝に集まって一つになる(ブドウの房のような状態→写真下)。
④ミツバチが落ち着いたら枝に接近して水を噴霧する。そうすることによりミツバチは飛ばなくなる。
⑤ミツバチがたかっている枝を切り、枝が縦にすっぽり入るような容器に注意深く入れて蓋の代わりに通気性の良い布で被い地下室に安置する。
⑥翌日、別の巣箱にミツバチを枝からふるい落として入れる…とあります。
必死の思いで家内が①から⑤まで遂行し終え(小生は家内が登る梯子を支える役目のみでした)、ホッとしていましたら、おそまきながら友人から連絡が入り、「そんな大層なことをせずにほっとけばよかったんだ。ほっとけばどっかに飛んで行ってそれでオシマイ。縁がなかったということ。アハハ」と言われて、開いた口がふさがりませんでした。
そしてその翌日、当の友人がやってきまして上記の⑥を実行。大きめの新しい巣箱をすでに設置してある巣箱のとなりに置き、いまだ枝に房状になっているミツバチの大群を巣箱にふるい落として作業完了(写真左および右)。
そしてその友人が「もう10年来養蜂をやってるけど、こんなことするの初めてだよ」と言うのを聞いて家内共々驚きを隠せませんでした。
のっけから恐怖におののくハプニングで、「さすがの家内も大いにたじろいたことだろう…養蜂をやめると言いだすのでは…」とほくそ笑んでいましたら、「いい勉強になった。やっぱりいろんなことを実際に経験してみないとミツバチの生態なんてわかりっこない。だから養蜂家の持論も多種多様なんだ」と益々ミツバチに対する関心が強まった様子です。
3月にウソ、シメ、ゴシキヒワなどのいろんな鳥が飛来し、4月下旬にイモリやハリネズミが出没し始め、そして5月からはミツバチが飛び交うようになり、夜間、ヤマネやテンが跋扈するのはいわずもがなで、どちらかといえば小さめの庭が野生動物園の様相を呈してきました。腕を組み憮然として庭を眺めていましたら、家内が「次は犬だね」と小生に向かって言い放ったものですから、しばし言葉を失ってしまいました。








