このコラムの読者の99%が女性ということですので今回はおそまきながら女性を讃えるコラムにしました。
世の東西を問わず男女同権が唱えられて久しく、かつて「もっぱら男の仕事」と考えられていた職業に女性が進出し、その活躍ぶりは瞠目に値することは周知の事実であります。
ドイツでいいますと政治面では野党第一党CDUの党首のメルケルという女性がドイツの次期首相になってもおかしくないような雰囲気で、スポーツ面では昨年でしたか、女性サッカーチームが世界選手権を制覇し(男性サッカーチームが先月のヨーロッパ選手権で早々に敗退したのと対照的です)、ボクシングではハルミッヒとかいう華奢な女性が何級だか知りませんが(体つきからして無差別級ではなかったと思います)とにかく世界チャンピオンで、ウーマンパワー全盛といった感があります。
とくにハルミッヒはこれも昨年だったかと思いますが、お笑いバラエティ番組の人気司会者(40才ぐらいの大男です)の挑戦を受けてテレビ中継の公開のボクシングをやり、ノックアウトこそ逃したものの相手の鼻をへし折るという快挙をなしとげ、高い視聴率を得ることで女性ボクシングの啓蒙に大いに貢献しました。
しかし一方で長い間女性が進出していないというか、できていない職業があります。
その最たる例が指揮者です。女流指揮者がいないことについてはかねてから疑問に思っていまして、いろいろ考えてみたのですが、オーケストラの中で女性が進出していない楽器を見出せばそこからなにか結論を導き出すことができるのではないかと思いつきました。
弦楽器はもともと女性が多いですし、バイオリンでは女流ソリストの枚挙にいとまがないほどで、ドイツ屈指のWDR交響楽団のコンサートマスターは日本人女性です。さらにコントラバスでさえも最近女性が増えています。そして木管はもとより金管でも女性がいますが、いないのが打楽器だと気がつきました。ティンパニー、大太鼓、シンバル、銅鑼では女性演奏家にまずお目にかからない。これらの楽器に共通していえるのが、音楽性はあまり問われないが瞬時の敏捷性と炸裂性を必要とすることで、後者二つは確かに指揮者にも当てはまります。
どうやらこの辺りに真相がありそうだと思っていた矢先、たまにいい演奏を聴かせてくれるシュトゥットガルトフィルが女流指揮者を迎えてベートーヴェンの第九をやると聞き及びましたので、早速聴きにいきました。
「えっ?第九って年末に聴く曲じゃないの?」という方もおいでかと思いますが、年末に各々のオーケストラが競って第九をやるという奇習が蔓延っているのは日本だけでして、当地ではそのようなことはありません。「日本では『第九』はすでに冬の季語になっている」とも聞きましたが本当ですかね?…
話を元へ戻しまして、指揮者はヤング(Simone Young)という名前だったのですが、予想とは裏腹にしっかりとした指揮振りで、テンポを速めにとりながらも軽すぎず、クライマックスを4楽章に据えて見事に仕上げ、大喝采を浴びていました。これは只者ではないと、プログラムを読みましたら、シドニー出身で欧州各国の名だたるオペラハウスを指揮していて2005年からドイツでもトップクラスのハンブルグのオペラ座の総監督に就任予定とあり、納得がいきました。
やっとのことで世界に通用する女流指揮者の登場です。
以上、当地における女性の活躍ぶりをいくつかご紹介しましたが、翻って日本ではどうなのでしょう?あまり聞こえてこないのですが…








