羽根のない扇風機が近々発売されると聞いて大いに興味を掻き立てられました。そもそも羽根がない扇風機なんておよそ常識を覆すものでして, 「扇風機には羽根がある」という固定観念を文字通り吹き飛ばすわけなのですが、考えようによってはこの「固定観念を崩す」ほうが、流体力学を利用した独自の「革新的な技術」よりもはるかに意義が大きい…で、「フーム」と唸ってしまったのですが、よく考えると固定観念なんてしばしば覆されているんですよね。
小生が一番最初に固定観念を揺るがされたのは「針のない時計」というスリラー映画でした。小生が小学生か中学生のときにテレビで見たと記憶しているのですが内容はさっぱり覚えていなくても、「針のない時計」というタイトルに非常に強烈な印象を受けたことだけは鮮明に覚えています。当時はデジタル表示の時計などというものは全く想像できない品だったからでしょう。そして数十年後のデジタル表示の時計の出現で、「時計には針がある」という固定観念はあっけなく潰えでしまいます。CDプレヤー登場したときは、針のいらないレコードプレヤーとして話題になり(註:いままた昔のLP盤が静かに脚光を浴びているらしいですが…懐古趣味だといえば「たわけもの」と一喝されそうな按配です)、80年代の後半だったかと思いますが、フィルムのいらないカメラが巷に出回ってこれも常識を覆す革新的な商品でしたが、いまではフィルムを知らない人が多くなってしまった。さらに考えをめぐらすと「算盤→電卓」、「手紙→メール」、「手書き→ワープロ」などと枚挙に暇がありません。しかし、何かこう、「そっけなくなってしまった」、「味気なくなってしまった」と感じるのは小生だけでしょうか?ここに挙げた例はすべてデジタル、PC、ITといった非常に抽象的で実際に見たり、手に取ったりできないシロモノがその背後にあるからではないでしょうか?
で、先ほどの羽根のない扇風機に戻りますが、ここには時代の先端を行くエレクトロニクスではなく、流体力学という具体的な学問が基盤となっているようです。さらに「冬に入ろうという時期に新しい扇風機を市場導入するというのはどうか?」という疑問に対し、社長の「研究開発が完成したから。ビジネスシーズンについてはあまり考えていない」という言葉にも好感が持てます。日本在住なら即購入して、矯めつ眇めつしたいところですが、このコラムがHP上に載るころはすでにドイツに戻っています。 ドイツでも購入可能なのか早速しらべてみます。
というわけで、日ごろから固定観念にとらわれず、柔軟な頭で物事をいろんな角度からみて、多様な認識、思考ができるようにしておくべきだと痛感した次第です。








