過日、ドイツ人の知人と虹について話し合ったとき、色の数で意見が割れました。小生は赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の七色だと主張したのに対し、知人は藍色を外した六色だと主張して譲りません。その理由として、六色とは赤⇔緑、橙⇔青、黄⇔紫の補色関係にある色の組み合わせだと言うのです。虹の色が六色というのは初耳ですが、これらが補色関係にあるという説明は尤もらしく聞こえます。おまけに「藍色なんて虹の中で認識できない」と言われるとたしかに藍色というのは「見えない」とまでは言わなくても、他の色と比べて「見えにくい」と言わざるを得ない。さらに「どういう根拠で七色と主張するのか」と畳み掛けられて、「小学校でそう教わった」という返答は貧弱すぎてドイツ人には通用せず、「世の東西を問わず、大昔から虹は七色と相場が決まっている」と突っぱねましたら、「ウソだ!」と真っ向から否定されました。
で、「虹は七色」という定説に自信がなくなりましたので、少し調べてみましたら、七色説はニュートンが言い出したらしく。ということはせいぜい数百年前のことでおよそ大昔などとは言い難い。しかもニュートンは主要な五色の赤、黄、緑、青、紫に音楽のオクターブ(7音)の概念を取り入れて、橙と藍を加え、七色にしたという記述を読んで、そんないい加減な根拠なのかと呆れてしまいました。ニュートンはさらに「これらの色の間には無限の変化がある」と付け加えていますが、これはつまり虹を構成する色は連続的で明確な境界はないということです。言い換えれば、ニュートンは虹を音階にこじつけて七色としたが、他の人にとっては五色あるいは六色ということもあり得るわけで、虹の色の数は個人の感知度によるということになります。つまり「世の東西を問わず、大昔から虹は七色と相場が決まっている」という小生の主張はあっけなく多重崩壊しました。もうこうなればついでですのでさらに調べましたら、ある漢和辞典に虹についての説明があり、雨上がりなどに大気中に現れる七色をした半円の帯状の像。日光が大気中の水滴に当たって生じる自然現象。紫が内側で色が鮮やかなのを「虹」、紫が外側で色が淡いのを「霓(ゲイ)」という箇所を読んで、そんなものがあるのかと驚きました。今まで霓というものを見た記憶がないのです。見たとしても、赤が外側という固定観念にとらわれていますので、気がつかなかったのかもしれません。ところでレインボー・フラッグ(虹の六色旗)というのはたしかゲイのシンボルですよね。虹じゃなくて霓なら辻褄が合うのだが…などとくだらないことを考えてしまいました。
虹論争の相手はまもなく誕生日を迎えますのでプリズムを送りつけてみようと考えています。知人はプリズムを通して分解された日光の中に藍色を認識するでしょうか?








