あまり洒落ているとはいいがたいドイツの切手にしては珍しく粋なものが年始から発売されています。
果物が描かれた切手というのはそう取り立てて言うほど珍しいものではないのですが、果物の芳香を放つ切手というのは異色です。りんご、いちご、レモン、ブルーベリーの4種があって、切手を擦ると香りが立つというものです(写真参照)。かねてからいちど実物を見てみたい、というか嗅いでみたいと思っていたものの、あまり切手を購入する機会がなく、ようやく先週入手しました。
45セントというのは円に換算して約55円でドイツ国内にはがきを送付する場合の価格、55セント(=66円)はドイツ国内の20gまでの封書の価格です。これに20~25セント(25円~30円)慈善金がかかりますので、この切手で郵送する場合、通常より4割方高くつきます。このあたりがあまり売れていない原因なのでしょう。
で、実際に切手を嗅いでみましたが、擦らないと香りは認識できません。つまり受取人が気づかなければそれまでの話で、「切手を擦ってね!いい匂いがするよ!」と説明したりすれば、せっかくのアイデアが霞んでしまいます。そして香りのクオリティですが、やはりオリジナルの香りには程遠く、「しいていえば、それらしい香りかな…」といった程度のものです。しかしアイデアは高く評価されるべきでしょう。
マスコミにとりあげられて気をよくしたせいか、3月には匂う切手の第二弾としてバラの切手が発売されました。切手を湿さず、シールのようにはがして貼れるという便利さと、きれいなバラの図、そして慈善金なしの価格などが相俟ってこちらは売り上げがよかったようです。ならばバラにつづいてすずらんやゆりなどを販売して、切手に花の絵を載せず、直接「擦ってください。花言葉の切手です」とでも印刷すればいいのではないかと思うのですが、どうでしょう。すずらんの香りで「幸福が訪れる」、白百合の香りで「純潔」といったことを受取人に連想させることができれば甚だ優雅だと思うのですが、花言葉なんてもう死語でしょうし、やっぱりダメでしょうね。
花言葉がダメなら、磯の香りがする切手というのはどうです?知床からの絵葉書にぴったりですので、日本の郵政省が検討してくれないでしょうか?








