8月末プラハを訪れた際、スリにしてやられました。そのときの顛末をご報告いたします。
ところはプラハ中央駅。午後4時半すぎでした。ドレスデンに向かう列車に乗ろうとしていたときのことです。ブタペストからの長距離列車が15分遅れで到着。前から2両目の列車に乗り込みましたら、中から降り損ねた乗客5、6人とぶつかり、結局小生と同じく列車に乗り込もうとしていた数人と下車を余儀なくされました。もう降りてくる乗客はないように思えましたので再度乗車しましたら同じような顛末。今度は車両が当駅で切り離されて車庫に入るというアナウンスで、プラハで下車する意図のない乗客までが車掌に強制的に降ろされ、再び事情を知らずに乗車しようとする人間と押し合いへしあいとなり、このゴタゴタの際に尻ポケットに入れていた財布を盗まれました。「やられた!」と瞬時に悟ったのですが、降りてスリを追っかけようにも列車内の狭いところで身動きがとれず、やっと下車したときにはすでにスリの影はもうありませんでした。
で、深呼吸をしてから、「さぁ どうする?」と考えました。目前のドレスデン行きの列車は発車寸前です。しかし列車の切符はクレジットカードや免許証などと一緒に財布の中で、手元には一銭の金もありません。あるのはパスポートと同様の効能のあるID(アイデンティティー・カード)のみ。さすがに困窮しましたが、夜どうしてもドレスデン経由でライプチヒに着かねばならない事情がありましたので再度列車に乗り込みました。まもなく列車が動き出し、携帯電話で家内に電話してクレジットカードを閉鎖させていると、チェコ人の車掌が切符の確認にやってきましたので、「プラハの駅でスリにやられた。切符も金も何もない」といいましたら「That’s normal」とだけ言い残して素通り。一時間ほどして列車がドイツに入ったところで今度はドイツ人の車掌が切符の確認にやってきました。事情を説明すると「それはお困りでしょうね。ライプチヒまでおいでですか?ドレスデンで乗り換えたら同じように車掌に事情を説明してください。代金は不要になるでしょう」という返事。この車掌、スリ被害の申し出にしばしば出くわしているような口ぶりでした。結局、公な無賃乗車でなんとかライプチヒまで辿りつきました。ホテルはあらかじめ予約してあり、担保に盗まれたのとは別のクレジットカードの番号を知らせてありましたので、何とか難を免れ、さらにホテルのレストランで空腹を満たすことができたのは不幸中の幸いでした。
翌日、家内の助言に従い、ライプチヒの警察に被害届を提出。一時間ほどいろいろ聞かれて取調書を作成してもらったのですが、これがその後、免許証や種々の証明書の再発行の際に大きな役に立つことになりました。担当の警官に「スリの被害申し出なんてよくあるのですか?」と聞きましたら「毎日のようにあります!我々の主な仕事のひとつになってます」という返事。プラハが屈指の盗難多発地であることは、被害を蒙った数人の同僚からも聞き及んでいましたので、警戒していたのですが、まさか自分が被害に合うとは思ってもいませんでした。プラハ出身のチェコ人の知人(この人もスリ被害に遭遇したことがあるとか)に話すと、「それは十数人がグルになってるんですよ。車掌がグルになってることもありえます。狙われたらおしまいです」とのコメント。ということは駅の構内でサンドイッチとジュースを購入して財布を迂闊に尻ポケットに入れた時に、もう彼らのターゲットになっていたのでしょうね。十数人がグルになってるということは上記の乗降客のごったがえした状況は作られたものだということになります。なるほどね…と感じ入りました
プラハは3度目で、過去2度のプラハ滞在でスリ被害に合ってないので少し気が緩んでいたのかもしれません。最近非常に多くの観光客がプラハを訪れるようになり、スリが跋扈(ばっこ)しているのも当然のことといえます。プラハはたしかに一見の価値がある街です。プラハへの旅行を計画なさっている方がおいででしたら、貴重品など肌身離さず所持されることをおすすめいたします。








