先月はじめ、『太古の時代に地球の月は二つあった』という新説がマスコミで報道され、非常に大きな興味を持ちました。
といいますのも半世紀以上前、まだ小学生だった小生は天文学に熱中していて、放課後図書館で小学生向きの天文学図巻やら解説書などを読み漁っておりました。特に「月の起源」については、「地球の一部が何らかの理由で膨らみ、やがて分離して月となった(手書きの略図参照、こんな感じの図が載ってました)。
分離した個所は月の大きさから考えて太平洋であろう」という説明があり、子供心に「なるほど!」と感心したことは今でもよく覚えています。そしてその20年後、紆余曲折の末、偶然か必然かはともかく、大学院で宇宙化学に関する論文を書くようになり、小学生の時に読んだ月の起源が科学的にどうしても筋がとおらないと確信するに至りました。月の起源に関しては、「地球ができた時に大きな天体が地球にぶつかり、その衝撃で多量の「かけら」が弾き飛ばされ、やがてこれらの「かけら」が集積して月ができた」というのが当時の通説でして、この説は現在でも概ね認められています。その後小生は化粧品開発に転じるのですが宇宙(Cosmos)と化粧(Cosmetics)の語源は同じようですので、あながち超変身ともいえないようです。
話が横道にそれました。「二つの月」ですが、端的にいえば、上記の「かけら集積説」を踏まえた上で、一時期地球には二つの月があり、両者が衝突して一つになったというものです。地球から見えるいわゆる表側と見えない裏側の極端な違い(表側は平坦、裏側は山がち)や裏側の地殻が表側よりもずっとぶ厚いということの説明がつくわけです。しかし壮大ですねぇ…まず大きい方の月が夜空に浮かんで沈み、やがて小さい方の月が昇り始める…あるいは同時に二つの月を賞美することができたのでしょうか…
「面白いね、この新学説…」と知人に話しましたら、この説に真っ向から異論を唱え始めたのには驚きました。太平洋はともかく、月は地球から分離してできたものに違いないと主張して譲りません。月は地球から生まれたのだというのです。これを「親子説」とし、新しいのは「二個説」と名付けて議論を始めたのですが、議論が平行線を辿り、収拾がつかなくなってしまいました。
議論に疲れましたので、話題を「中秋の名月」に替えましたら、「ドイツではきれいな満月はクリスマスとイースターだ。秋の満月なんてとりたてていうほどのこともない普通の満月だよ。」とまたもや平行線。満月はできるだけ見るようにしているのですが、よく考えますとドイツで中秋の名月というのを意識して見た記憶がありません。月見だんごもススキも三方もないからです。
今年の中秋の名月は9月12日ということですので、「もし月が二つあったらどうなんだろう…」と想像を逞しくしながら、ドイツの中秋の満月がはたして名月なのかどうか確認しようと考えています。名月につられて針鼠が浮かれ出るということは……ないでしょうね。








