
ラタニアは、別名クラメリアとも呼ばれるボリビアとペルーのアンデス山脈が原産のマメ科の低木です。一般にラタニアは「床の上をはっている植物」と称されます。その根には多量のタンニンを含み、特に収れん作用に優れています。抗菌・止血・抗炎症作用もあり、古くから口腔内のトラブルに用いられてきました。
話が少しそれますが、「オーラルケア」について考えてみると、多くの人が歯周病によって虫歯になるのはもちろん、多くの歯を失うという事実は認識しています。その他にも歯が抜けたりすることによって、歯の噛み合わせが悪くなり、食べ物がよく噛めなくなる結果、内臓に負担をかけ内臓の病気になることもあります。さらに、歯茎の病気が心臓病の危険をもたらす可能性があることは知らない人のほうが多いでしょう。最近では、歯の噛み合わせの不具合が腰痛の原因になっているという説もあります。
そのため、口の中の健康に気を配るということは、私たちが考えるよりもはるかに体の健康のためになるのです。昔から、ボリビアとペルーの女性たちは、歯磨きとしてラタニアの根を日常に用いていたそうです。前述したように、ラタニアの根のエキスは鎮静効果があり、その収れん作用により腫れや赤くなった歯茎にも効果的に働きかけ、回復をさせる作用があります。また、ラタニアは歯みがきだけでなくうがい薬としてもその効果を発揮します。
最近では、多くの人々は健康にとても気を配るようになってきました。そこで、自然食品の価値というものを認識し始め、体にとって望ましくない添加物の摂取に関しては警戒をしてなるべく食べないようにしていると思います。ところが、オーラルケア製品に関しては、まだまだ前者に比べると意識が低いといえます。まだ、合成の発泡剤が入った歯みがきしか使用したことのない人は、ぜひ一度、合成の発泡剤を使用していない歯みがきを使用してみてください。最初は、口の中で泡が立たないため、本当に汚れが落ちているのか心配になりますが、慣れてくると手放せない一品になりますよ。
上記は植物の一般的な性質を述べたもので、化粧品の効能を示したものではありません。
自然化粧品開発研究員 宮地 博信