
セミが鳴き、青空には入道雲がモクモク。眩しいばかりの太陽に向かって咲く大きな花…。で、イメージする花は? と言えばひまわりですね(わかりづらかった方すみません・・・)。今回のテーマはひまわりです。みなさんの中には小学生の頃、学校でひまわりを育てた経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
【概要】
ひまわりは北米原産でキク科ヒマワリ属の一年草で、草丈は大きいもので3.5メートルにもなり、茎は主幹が直立し大輪を咲かせるものと上部で分枝し小ぶりでもたくさんの花を咲かせるものとあります。茎、葉ともに硬い粗毛に覆われています。ひまわりは頭花が太陽に向かって回るとの言われから「向日葵」と書きますが、実は若い枝先や蕾(つぼみ)が多少回転する程度で花は日の出から日没まで太陽に微笑んでいるわけではないようです。(ガッカリされた方すみません・・・)。
【種子用と観賞用】~種子採取のアドバイス付き~
ひまわりは大別して種子油用と観賞用があり、前者のロシア産の品種で白黒の縞(しま)のある大型の種子をつけるものは、頭花も大型で直径が40センチに達するものもあり当然、種子の収穫量も多い。また、栽培および採油はロシアが最も多く、次いでヨーロッパ中部東部、インド、ペルー、中国北部がこれに続きます。
ここでコラムを愛読いただいている方の中で「種(たね)」を採取するために栽培される方へアドバイス! ひまわりは自家受粉での結実は難しいため、複数本植える(可能なら群生)必要があります。花は咲くのに実が「空っぽ」という方お試しください。また、花は大きいほど種子をたくさんつけますのでわき芽が出てきたら、全部摘み取り主幹(茎)の先端の花だけを咲かせるようにしましょう。
観賞用は人気があり園芸用として多くの品種改良がなされています。日本ではもっぱら観賞用の栽培がなされ、生け花やフラワーアレンジメントでも人気があるようです。夏の生花として、また最近ではひまわりの「存在感」から父の日の贈り物としても、使われるそうです。6月第3日曜日は父の日です。普段口に出しては言えない感謝の気持ちをひまわりの花であらわしてみてはいかがですか?
【成分】
ひまわりの種子にはリノール酸、リノレン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪油を22~36%、含窒素物を13~19%、粗繊維23~32%、ミネラル2.6~4%含まれています。また、葉にはたんぱく質、アスパラギン酸が、花にはキサントフィルなどが含まれています。
生のタネをフライパンで炒って食べると香ばしく、種に含まれるリノール酸は血中コレステロールを減少させる作用があるとされ、また滋養や動脈硬化の予防になるとの文献も数多くあります。毎日の炒ったものをひとつまみ食べるといいそうですよ。 化粧品への配合 化粧品へはエモリエント効果を期待した油剤として配合し、生理活性の高いα体(アルファ体)が多く含まれるため、酸化防止の面からも注目されています。
【著者のひとこと】
わたしの子供は一番上が小学生です。いつか子供たちから父の日にひまわりの花束なんぞもらえるのかな~。(ひとり想いに耽るのであった・・・)
上記は植物の一般的な性質を述べたもので、化粧品の効能を示したものではありません。
農業研究家 山口 浩