
実は私がティートリーと出会ったのは、アロマセラピーに興味をもつ以前の20年近く前のことでした。
当時オーストラリアに住んでいたのですが、温暖な地域であり虫が多く、特に敏感肌でもない私なのですが、虫刺されの痒さと、掻きすぎのためにひどい肌荒れをおこし、眠れないほど辛い思いをしたことがありました。加えて、精神的なストレスから皮膚炎をおこしてしまったのです。このひどい状態を見た現地の友人が「これを付けると良いよ」と言って渡してくれたのがティートリーのエッセンシャルオイルでした。付けてみるとちょっとしみたのですが痒みはおさまり、毎日使い続けていたらどんどん肌の状態も改善されたのです。「オーストラリア原産の植物から作られたものだけど、昔からアボリジニ(オーストラリアの原住民)が傷や皮膚のトラブルに使用し、今では家庭の常備薬として使われているんだ」とのこと、とても嬉しい発見でした。
ティートリーは、幹を切っても数ヵ月後には新芽がでてきて2年後には伐採できるほどに育つ、生命力が非常に強い植物です。
元々、キャプテン・クックがオーストラリアを初めて訪れた時、アボリジニがこの木の葉でお茶を入れたことからティートリー(Tea Tree)と名づけられたのです(ツバキ科のお茶の木とは別の植物ですので、間違えないよう注意して下さいね)。
クリアで鋭くリフレッシュ感溢れる香りをもつティートリーは、強い殺菌・消毒作用や免疫力向上作用があります。第二次大戦中には創傷の手当てのために救急用キットにも加えられ、現在ではオーストラリア政府の科学的研究により、このオイルの免疫増強作用やウィルス・微生物・菌類への有効性が証明されています。特に水虫の治療薬としても優れものですので、水虫でお悩みの方、ぜひお試しください。エッセンシャルオイルは高度に濃縮されているため基本的には希釈して使用しなければいけないのですが、ティートリーとラベンダーだけは原液を肌に付けることができます(敏感肌の方は特に、予めパッチテストを行ってください※)。又、消臭効果にも優れ、オーストラリアでは、ティートリーを使用したマウスケア製品がたくさん販売されています。
パッチテストの方法・・・
マッサージや沐浴でエッセンシャルオイルを肌に付ける場合、人によっては、又、エッセンシャルオイルの種類によっては皮膚アレルギーを起こす可能性があるため、できるだけ使用前にパッチテスト行う必要があります。二の腕に、1~2%程度にキャリアオイルを用いて希釈したエッセンシャルオイルを少量塗布し、少なくとも数分は放置して様子を見ます。(理想的には、バンドエイドなどで上から覆いをして48時間放置します。)
皮膚が赤くなったり、かゆみや赤みが出た場合は使用を中止し、洗い流したりウェットタオルなどで即座に拭き取ります。
上記は植物の一般的な性質を述べたもので、化粧品の効能を示したものではありません。
英国ITEC認定アロマセラピスト 市川 恵美子