Iris
アイリス

アイリスは別名「sword lily(剣のアヤメ)」とも言われ、ギリシャ神話においては水の運搬人、神々の使者である虹の女神イリスに由来しています。虹色をした花の麗しさも、多肉質の根がもつ高い貯水力も、まさしく神話の女神の名にふさわしいものといえるでしょう。
保湿と乾燥のバランサー
肌の水分バランスを整える働きに優れ、貴重な精油をもたらすアイリス根のエキスは、ヴェレダでも化粧品の成分として長年使用されてきました。アイリスは、モロッコのアトラス山脈で人が踏み込むことができないような奥地で群生しています。ヴェレダはフランスのパートナー企業と協力して、約300もの農家とその家族に安定収入をもたらすことができる事業を行っています。
小規模農業で収穫
モロッコでは現在も、農村人口の高い割合が小規模農業を主たる収入源としています。農業が一家の収入の半分を占めることもありますが、これには持続可能なパートナーシップ関係が不可欠です。ヴェレダではアトラス山脈で、ドイツアヤメ(ダッチ・アイリス)を有機栽培している農家とパートナーシップを結んでいます。海抜1600メートルのアトラス山脈の気候は冬は寒く夏は厳暑で、空気は乾燥して酸素が薄く、土壌はやせています。種まきから収穫まで、運搬にラバの手を借りる以外はほぼすべての仕事が手作業で行われます。このような小規模な生産地への機械導入はコストも高く非現実的だからです。
400~600平方メートルの小さな岩ばった農地が集まる20平方キロメートルの土地で、農家の人々は作業を行います。大変な労力をかけて山の斜面に作られた階段状の農地では、亜麻やレンズ豆、タマネギなどの野菜が栽培されています。こうした農作物に加え、協同組合に参加した農家はアイリス根の有機栽培を行うことで別の安定した収入源を得ることができます。春の収穫の季節になると、300の農家から最大400キロもの新鮮なアイリスの根茎が収穫され、根茎から得られる稀少な精油はナチュラルコスメや香水の原料として重宝されています。
山の空気で乾燥されるアイリス
収穫を終えた何百何千ものじゃがいもサイズの根茎は、精油の抽出作業の前に手作業で皮を剥いたのちに山の空気と太陽のもとで乾燥されます。この乾燥プロセスは1週間もかかることもあり、この間に重量は約2割に減少します。乾燥して固くなった根茎はラバが谷へと運搬し、貴重な精油の抽出作業へと入ります。これらの小農家が集まった協同組合は、ヴェレダとフランスのパートナー会社により定期的な検査を受けています。協同組合の設立は、土地に根ざした経済活動に寄与することになり、小農家のサステナブルな増収と生活向上につながっています。
このページの表記は、植物成分の一般的な性質を述べたものであり、製品の効果・効能を示すものではありません。