Lavender
ラベンダー

ラベンダーは、鎮静とリラックスの精油の代表格です。ラベンダーのほど瞬時にリラックスさせてくれる香りはありません。かわいらしい群青色の花からとれる精油は50ものヴェレダの製品にみずみずしい香りを届けています。
鎮静とリラックスの代表的なアロマ
ラベンダーというと、フランス・プロヴァンス地方のはるか彼方まで紫色の花畑のイメージが強いかもしれませんが、ヨーロッパにはもうひとつ重要な産地が存在しています。それはルーマニアとウクライナの間に位置する小国、モルドバ共和国です。ここでは何世紀にもわたって大規模なラベンダー栽培が行われてきました。34,000平方キロメートルほどの小国ですが、温暖で乾燥した気候に恵まれており、肥沃な黒土はブドウ園や果樹園に最適で栽培も盛んです。この完璧といっていい気候条件こそモルドバの基盤となっていて、かつては世界有数の精油生産国として知られていたほどです。1992年のソビエト連邦の解体で人々が自由貿易へと向かった結果、多くのラベンダー畑が消滅してしまいました。それから何年も経て、この小国にもさまざまな変化が訪れました。古い伝統が復活し、ラベンダー栽培も息を吹き返したのです。
ラベンダーは、シソ科に属する植物です。背丈の低い小低木で、小さなぷくっとした穂と直立して枝分かれした茎、小さな紫色の花が特徴です。葉の幅は狭く、表面はグレイがかかった緑をしていますが、裏側は白っぽく細かい毛に覆われています。品種は25ほどあり、代替医療では以下の品種が使用されます。真正ラベンダー(Lavandula angustifolia)、スパイクラベンダー(Lavandula latifolia)、フレンチラベンダー(Lavandula stoechas)、ラバンジン(Lavandula hybrida)です。
最大の有機農業プロジェクト
イギリスの開発エキスパートとモルドバの農業技術者が手を組むことから、国内最大の有機栽培ラベンダーのプロジェクトは立ち上がりました。このプロジェクトは驚くほどの急成長を遂げましたが、それには2005年に始まったヴェレダ社との協力関係も一因しています。ヴェレダとの密なパートナーシップと、将来をみすえた持続的な協力関係は、プロジェクトに大きなはずみをつけました。イギリスの開発エキスパートによると「現在は200の農家が関わっており、有機ラベンダーの畑は200エーカーにまで拡大した」といいます。
植物を新たに土に植える場合、初収穫までおよそ3年の歳月が必要とされています。しかし好条件さえそろえば、その後30年以上にわたって収穫し続けることもできるのです。2005年に初収穫を迎えて以来、毎年6月下旬から7月中旬になると、農家の人たちが成熟したラベンダーの花を鎌で刈りとります。この作業は骨の折れる仕事で、大変な集中力と注意力を必要とします。こうして採集されたラベンダーは畑から持ち出されることなく、すぐに農場内の精油蒸留機にかけられます。蒸留にはエンジニアの知識はもちろん、鋭いセンスと配慮も要します。収穫期には4人が一つのチームとなって、収穫されたラベンダーの花がぎっしり詰まったコンテナを受け取ったり、ボイラー、スチームといった作業を分担しています。蒸留作業にはおよそ1時間かかり、100キロのラベンダーの花から1キロの精油が抽出されます。抽出された精油はただちに樽容器に密閉され、農場から出荷されます。高いクオリティを保つため、ヴェレダに到着するまでラベンダー精油は必ず冷暗所に保管されています。
ダイレクトな鎮静効果
最近の研究で、ラベンダー精油に含まれる成分には、中枢神経系にダイレクトに作用する鎮静効果があると証明されています。中枢神経系に作用することで、リラックスや心地よい眠りを得ることができます。落ち着きのなさや不眠、緊張や不安感、消化不良や心臓・循環器系疾患といった諸症状にもラベンダーは改善効果があります。古代からそのリラックス効果や鎮静効果を求めて人気が高かったというのも、不思議ではありません。
ラベンダーは、現代のモルドバの人々にも恩恵をもたらします。ヴェレダとのパートナーシップによって、現地の人々は精油分析と原料調達にまつわるヴェレダの膨大な経験値を手に入れました。ヴェレダと仕事をするようになってから、生産・収穫の作業は最適化され、諸問題も次々と解決されていきました。たとえば精油を抽出したあとに発生する蒸留残留物についても、適切かつ環境に優しい方法で堆肥化するという解決策がみつかりました。「まさにギブ・アンド・テイクの関係。協力することで初めて理想とする品質を得ることができるのです」と地元のパートナー業者も語っています。
このプロジェクトが地方に与えた経済的、社会的な好景気は、立ち上げから10年後に顕著なものとなりました。農家の人々にとってラベンダー栽培は大切な収入源のひとつとなり、パートナーシップを結んだことである村の学校は大幅に改修されました。ヴェレダの創業90年記念として、ミンチェニイの町の健康福祉センターの建設にも参加しました。こうしたことは、ヴェレダがいかにパートナーシップを結びながら貴重な原料を調達し、地元生産者のコミュニティづくりに関わっているかを示すほんの一例にすぎません。
このページの表記は、植物成分の一般的な性質を述べたものであり、製品の効果・効能を示すものではありません。