公私にわたりガーデンショーに足を運ぶことすでに5回以上、大規模な催し物ですので毎回新しい発見があり、先回の続編を記すことにしました。
先回のコラムは「墓地」で締めくくりましたが、『結婚は人生の墓場』という箴言があります。
ならば『墓地』の近くに『チャペル』はあるのではないかと探しましたら、はたして下の写真のような自然系なのがありました。




タイトルが「緑の婚礼の間」となっていまして、祭壇らしきところには十字架などはなく、宗派に関係なく結婚ができるということを強調しているかとも思えます。ガーデンショーのど真ん中ということで螺旋状の花壇に囲まれていて、近くにある塔の上から見るとひときわ華やかです。ガーデンショーの期間中、大空のもとで挙式がとりおこなわれるとも記されていて、植えられている樹は古くからから結婚、愛情、幸福、安定、不変のシンボルであるマルメロです。白をベースにした宿根草と大理石をあしらうことで祝祭感が良く出ています。右下の写真でテントの右に輪が二つ写っていますが、実は高さ2mほどあるエンゲージリングをイメージした(と思われる)大きな錆びた鉄の輪が二つ絡まっていまして、「緑の婚礼の間」への入口を示しているのですが、錆がイメージを大きく損なっているのが残念です。
もうひとつご紹介したいのが椅子の展示会です。グミュント周辺にある大小40ほどの村が、その村の特徴を示した独創的な椅子を作り、展示しているのですが、ガーデンショーを訪れる人たちの間で図らずも椅子のコンテストのような賑わいをみせています。
小生が独断で選びました椅子3点の写真です。
まず第一位がヴァルトシュテッテン村の湯船の椅子。
とにかく奇抜で湯船の底、つまり椅子の裏には村の風景と名前が入っています。その昔、この村では多くの人が湯船の製作で生計を立てていたのかもしれません。座り心地も意外なことに非常によろしい。


第二位はイッギンゲン村の椅子。
木目をうまく利用して牛二頭が会話を楽しんでいるような模様の椅子。裏の孔雀の彫り物も素人っぽさが共感を呼びます。


第三位はノイラー村のアイデア賞とでもいうべき作品です。
必要に応じて2~3人用のベンチにもなるという優れ物でがっしりと作られていますので長持ちすること間違いなし。


この他、佳作としまして、とにかく猫が多いという謂われのあるラインツェル村の猫椅子(尻尾の脚が秀逸です)、木をくりぬいて作ったせいで座席面が座れないほど小さいエーシャッハ村の王様椅子(頭上に王冠があしらってあります)、出処不明の極めて座り心地の悪い枝椅子の三点を挙げてみました。
あくまで小生の主観で選びましたがこの他にも面白い作品がたくさんありました。いづれも人口数千人~数万人の村の有志の方々が作ったのでしょうが、住んでいる村への愛着が感じられ、いづれもほほえましい椅子ばかりでした。



このガーデンショーは、あと一カ月半で閉幕。州内外から予想以上の来場者があり好評を博しています。小生は少なくともあと数回、知人を案内すべくガーデンショーを訪れる予定ですが、特筆すべきものがみつかりましたら、またご紹介いたします。