先だってラジオを聞いていましたら、ジャガイモがドイツに置いて普及したきっかけは1756年3月24日にプロイセン王国(現在の北ドイツと北ポーランド)のフリードリヒ大王がジャガイモ奨励令を出したことであったと述べていました。
当時7年戦争が始まろうとする緊迫した事態の上に、天候不順で穀物の収穫が少なくなり、痩せた土地でも穀物の数倍の収穫が見込めるジャガイモに活路を見出したというのは苦肉の策だったのでしょうが、このジャガイモ令がなければドイツにジャガイモが普及することはなかったはずです。そしてその後もジャガイモは普及を続け、ピークを迎えたのは今から100年ほど前で、ドイツでは一年で一人平均300kgのジャガイモを食したようですが、現在では嗜好が変わったのか、贅沢になったのか、一人当たりの一年の消費量はせいぜい1/4つまり75kgほどになっています。そして放送は「ドイツではジャガイモの需要が下り坂だが、中国では上る一方だ」というコメントで締めくくられていましたが、2013年度の中国のジャガイモの年間生産量はドイツの約10倍ということですので、現在のジャガイモ大国は紛れもなく中国ということになります。
「ちょっと待った!同じドイツでも北ドイツでは毎日のようにジャガイモを食べるが南ドイツではそうではない。ジャガイモの消費量は南北ドイツで大きな違いがある。ドイツ全体の平均値を出すのは無意味だ」と一緒にラジオを聞いていた家内が言い出しました。で、拙宅でどれほどジャガイモが食卓に出てくるか、献立の統計をとって換算してみましたら拙宅におけるジャガイモの年間消費量は平均して一人当たり約30kgという数値が出ました。上記の75kgをかなり下回っています。
また、「北ドイツの人間にとってジャガイモというのは日本人にとっては米のようなものだろう」とも言うのですが、これも何となく理解できます。ジャガイモといえば、かねてから気になっていたのが日本のジャガイモとドイツのジャガイモにおける違いです。日本のジャガイモというのは茹でるとやわらかくなり、往々にして皮が裂けて、形が崩れやすいのですが、ドイツのジャガイモにはこのやわらかタイプの他に、茹でても型崩れがせず、ナイフで薄切りできるほどの固さのものがあります。前者は北ドイツで普及していますが、後者は南ドイツが主で、この固茹でタイプのジャガイモを用いたポテトサラダは日本の方には珍しいようで、拙宅においでになった方に好評です。
二つのタイプのジャガイモの違いは含まれるデンプンの量に反映され、やわらかいタイプのジャガイモのデンプン量は固茹でタイプのジャガイモより2割ほど多く、用途もやわらかい方がスープ、マッシュポテト、クロケット、ニョッキなどに、そして固茹でタイプはサラダやグラタンなどに用いられます。なお両者の中間タイプもあり、このタイプのジャガイモは殆どのジャガイモ料理に使用することができますが特にシチューやフライドポテト向きとなっています。
ジャガイモはドイツでは4月に種イモを地中に埋め、9月に収穫します。16世紀にジャガイモが南米からスペイン、フランスを経てドイツにもたらされた当初は花が愛でられただけでジャガイモそのものには関心が寄せられなかったようですが、現代人の眼からみれば「およそきれいな花とはいえない」となります。このことを含めて、来月あたり庭にジャガイモを埋めて、その成長具合と特徴を観察してみるつもりです。








