先月日本(9月11日)とドイツ(9月18日)で総選挙がありました。選挙の日がほぼ同じだっただけではなく、他にもいくつかの共通項がありました。たとえば国会解散ですが、『不信任』が共通のキーワードで、日本では小泉首相が郵政法をめぐって党内で支持を得られなかったことがきっかけでしたが、ドイツではシュレーダーが手前勝手な不信任案をとりつけて解散に持ち込みました。次の共通項は両首相の『役者ぶり』です。日本では刺客やら背信者やらがにぎやかにご登場なさった小泉劇場がウケて小泉首相の圧勝に終わり、かたやシュレーダー首相は今年春、州選挙で敗北が相次いだ後、来年の総選挙まで待っていたら勝ち目がないと判断、上記の不信任案をとりつけて一年前倒しで総選挙を仕掛けました。下馬評では保守二党の連立政権が過半数をとるということで、シュレーダーの敗北は明らかでしたが、選挙直前の2週間でシュレーダーが猛ラストスパートをかけ、一対一のテレビ討論で相手の保守党の女性党首メルケルを圧倒して役者ぶりを存分に発揮。ふたをあけてみると保守二党の連立政権が過半数をとれず、与党の革新二党も同じく過半数をとれないという番狂わせで、チェス用語でいうところのステールメイト(ドイツ語でパットといい、日常よく使われる言葉です)、すなわち手詰まり状態になってしまいました。ということは「ありえない」と烙印されたシュレーダーの続投が理論的にはありうるという、およそ選挙前には予想できなかった状態になってしまったわけで、この意味ではシュレーダーの思惑は当たったことになります。ですが誰が次期首相になるのか予断を許さず、安定した連立政権を樹立することは困難で非常に複雑な状況になっています。
共通項は総選挙においてのみでして、他の面では非共通項の方が目立ちます。たとえば対米政策です。数年前に「イラクは大量破壊兵器を持っている」ということを盾にアメリカがイラクに侵入しましたが、何があろうと日本は根っからの親米。ところがドイツはフランスとともにイラク戦争に反対し、イギリス、イタリア、ポーランド、スペインなどが親米の態度をとったことでヨーロッパ内の対立がありました。当然のことながらシュレーダーとブッシュの関係は冷え切り、今でもギクシャクした関係です。このことを受けてか、シュレーダーがノーベル平和賞候補にノミネートされたとかいうニュースが流れていました。しかし上記の保守党党首のメルケルが政権をとればドイツは一変して親米派となり、外交政策に大きな転換が生じることは必至です。
話は変わりますが、なぜ日本の選挙運動はあんなに喧しいのです?宣伝カー…いや選挙カーなるものが走りまわり、候補者の名前をボリューム最大で連呼して、もう騒音公害といいたいくらい。ドイツであんなことをすれば迷惑条例にひっかかって即、身柄拘束になります。
政治がからんだ文字どおりのブラックユーモアを紹介します。
学問とは、暗室の中で黒猫を探すようなものだ。
宗教とは、暗室の中で、いない黒猫を探すようなものだ。
政治とは、暗室の中で、いない黒猫を探していて、ある一人が「捕まえた!」
と叫ぶようなものだ。








