今年第一号のコラムは「えと」にちなんで犬をテーマにします。
我家では14年間、駄犬を飼っていました。子供がアジアとヨーロッパの雑種ですので、せめて犬ぐらいは純粋種を…というので血統書付の犬を繁殖させていた友人から安く譲ってもらったのがボブテイルという、一見前後不明の大きなムク犬。吠えない、温厚、子供好き、おまけに当時「犬恐怖症」だった愚妻に全く恐怖感を抱かせない犬種と四拍子そろった犬でしたがまさか体重が45kgにもなるとは予想していませんでした。いえ、太りすぎではなく、最初に産み落とされた仔犬でしたのでハナからがっしりした体格で骨太だったからです。大きさはセパードより二まわりほど大きかったでしょうか…。
日本では空前のペットブームとかで、とくに小型犬が女性の愛玩動物の本命と知人から聞き及んで訝っていたのですが、昨年秋のある洗剤メーカーの調査で、室内で犬を飼う首都圏・近畿圏の女性795人(20~60代)を対象にインターネットで実施したところ、「一緒の布団で寝る」が40%、「生活の愚痴などを聞いてもらう」が30%いたというニュースを読んで仰天しました。さらに「べったり依存」で愛犬を人間であるかのように接し、恋人関係のように依存しあうというのが14%もあり、いかがわしい犬の温床が判明したように思えました。ドイツではそのようなペットブームというのは聞きませんし、ドイツで飼われている犬の数は猫ほど多くありません。その理由として犬税が挙げられます。
つまりドイツでは犬に税金がかかります。猫にはかかりません。金額は市町村によって大きく違い、小生が飼っていたときは(数年前まで)年額8000円ほどでしたがベルリンなどの大都市では10000円を軽くオーバーしていたようです。税金の払込先は市町村役場でして、納金すると小さなアルミの納税証が送付され、これを首輪につけます。ドイツで犬税が最初に導入されたのは1810年、プロイセンにおいてで、「犬税」としてではなく「贅沢税」としてでした。家畜ではない無用の動物を飼える人間は経済的に余裕がある、したがって税金を払えというものです。これ以前、すなわち中世においては農民が領主に犬を申請する義務があり、この際穀物が提供されていましたので、これを税の一種と考えればドイツにおける犬税は500年ほどの歴史があることになります。一方、日本ですが、犬公方綱吉が「生類憐れみの令」を出したとばっちりで野良犬の数が急増し、この野良犬を保護するための資金を税として町人から取りたてたという話がありますが、犬を飼っているいないかにかかわらず税を取られたのですから一般的な「犬税」の概念に当てはまりません。一般的な「犬税」の方は長野県のある村で昭和30年ころまで徴収されていたとかで年額300円ほどだったようです。しかしすでに廃止されていますので事実上犬税は日本になく、犬の飼い主にとっては日本の方が飼いやすいということになります。
しかし犬の方からみると事情が違ってきます。ドイツでは子供料金を払えば犬は交通機関に乗車できます。猫程度の大きさの小型犬はバッグやケージに入れて乗車すれば無料です。しかし日本では東京大阪間の新幹線で小型犬をバッグに入れて乗車すれば数百円料金をとられますし、大型犬、中型犬は「各鉄道会社の了解を得る必要がある」となっていますが、実際は「盲導犬以外はダメ」というのが通論です。犬を家族の一員とみなすのなら、電車に乗せる権利があって当然という理屈になります。
犬税では日本に軍配が上がりますが、犬権ではドイツに分があります。犬税がなくて犬権がある国はどこかにあるのでしょうか?愛犬大国イギリスあたりがそうかもしれませんね。








