つい3週間ほど前までサッカーのワールドカップがドイツで催されていて大変な騒ぎでしたが、イタリアとフランスのフィナーレの数日後に、ドイツチームの監督として大きな人気を博したクリンスマンがドイツチームを今後率いないことを表明してから、ドイツでは火が消えたようにサッカー熱が消滅してしまいました。
ワールドカップはご承知のように1位イタリア、2位フランス、3位ドイツという結果に終わりましたが、巷にこれらの国の国旗が氾濫するようになって気づいたのですが、これら3国の国旗は色こそ違えど、いずれも3色旗です。
ドイツは横に3等分されていまして色は上から黒、赤、黄です。ところがテレビやラジオでは必ず黒、赤、金と言われています。1969年にアーノルド ラボフという人物が「ドイツの色は黒、赤、黄であるが、黒、赤、金であると言う」と喝破して以来のことのようです。にもかかわらず「黄色はメタリックもしくはブロンズがかった色でなければならない」と思いこんでいるドイツ人がまだ結構いまして、論争がしばしば起こります。なおこの3色は統一、権利、自由を表すといわれています。
次にフランスですが、縦に3分割されていまして、色は左から青、白、赤となっています。フランスの国旗は世界で最初の、そして最も有名な国旗とかで世界各国の国旗の模範とさえなっているとまで言われていますが、別の資料では後で述べるオランダの国旗のほうが先、と記されていましてどちらが正論なのかはっきりしません。おのおの色は自由、平等、博愛を表しています。
そしてワールドカップチャンピオンのイタリアですが、フランスの国旗をもとにしており(ナポレオンが一枚かんでいます)、青のかわりに緑が入っているのが違うだけです。また色の意味もフランスと同じです。
フランスとイタリアの国旗の3色を縦割りではなく、横割りにしたら違う国の国旗になるということをご存知でしたか?
イタリアの国旗を横割り(上から赤、白、緑)にするとハンガリーの国旗になります。そして、フランス国旗を横割りにしますとオランダの国旗になります(上が赤)。それぞれの国ごとに色が表す対象は違うようですが、縦と横の違いだけと言ってしまえばそれまでです。しからばドイツの国旗を縦割りにすればどうか? 小生はてっきりベルギーの国旗だと思っていたのですが、違いました。ドイツの縦割りなら色の順が左から黒、赤、黄であるべきなのですがベルギーのは黒、黄、赤と順序が違っています。しかも色の解釈が黒地に赤い舌を出したライオンという伝統的な紋章にちなんでいるということで、「ドイツの国旗の縦割り」と簡単に片付けられません。
ひるがえってワールドカップで惨敗を喫した日本の国旗ですが、こうみてきますと、日本の国旗が一番見事なのではないかと思えてきました。縦と横を逆にしようが、90度回転させようが、180度回転させようが、他の国の国旗になってしまうということがありません。
赤と白の組み合わせだけでしたら他にポーランド(上半分が白、下半分が赤)がありますが180度回転させるとインドネシア(上半分が赤、下半分が白)の国旗になります。日本の国旗はまさにそのシンプルさと唯一性で国旗のワールドカップがあれば小生の偏見と独断によれば間違いなくチャンピオン……と思うぐらいです。なお、誤解を避けるために申しておきますが小生は右翼ではありません。ただミニマリズムに甚だ傾倒しているだけであると告白しておきます。