先回のコラムでドイツ人とオーストリア人の相性があまりよくないと書きましたが、そのことを強調するような面白いことがありますので紹介します。
第二ドイツテレビがイベントとして「現在、過去を問わず一番偉大なドイツ人は誰か?」という問いを一般人に投げかけていまして、ここまでは問題はないのですが、一例としてモーツアルトやフロイトを挙げたものですから、オーストリア側から「いったいいつからモーツアルトやフロイトがドイツ人になったのだ!」という異論が出ました。
ドイツ側の反論は「モーツアルト時代のザルツブルクはトイツ帝国(註:ドイツではなくトイツで、ドイツ語ではトの方がドより発音が硬くなります)に属していたし、フロイトはチェコの地方モラヴィア出身で、彼が生まれた当時はこれもドイツ領であった。彼が十年後に生まれていれば話は別だが・・・・・・」というものなのですが、どうもこじつけのように聞こえます。
しかしヒトラーとなると事は複雑で、ドイツ人に「オーストリア生まれのヒトラーを押しつけられた」というしこりがあるのは、世界中でほとんどの人が「ヒトラーはドイツ人だった」と思い込んでいるからです。そして大戦後ドイツだけが悪者にされ、一方のオーストリアは中立国となってイメージアップに成功し、スイスとならんで平和な観光国としての人気が高くなっているということが癪にさわるというわけです。
たしかに生まれた国が即国籍というのでしたら、モーツアルト、フロイトはドイツ人、ヒトラーはオーストリア人ということになるのでしょうが、活動した国を観点とするとモーツアルト、フロイトはウィーンすなわちオーストリア人で、ヒトラーは当然ドイツ人になります。
日本人からみればどうでもいいような事柄なのですが、感情的なわだかまりが関わってくるとそうでもないようで、上記の人物は、まず選ばれる可能性はないでしょうから問題ないと思われますが、いずれにせよ11月7日にいったい誰がえらばれるのか、注目されてよいと思います。蛇足ながら小生ならゲーテを選びます。








