あけましておめでとうございます。
読者の皆様方はおせち料理に舌鼓を打っておいでのことと存じますので、年始のコラムのテーマに和食をとりあげることにいたします。
年末にかの有名なフランスのグルメ検定誌「ミシュラン」が東京をとりあげ、日本のみならずドイツでも大きな話題となりました。東京のレストランが獲得した☆が総数で150、パリが64、ニューヨークが39と比べると東京は世界一のグルメ都市! と報じたニュースです。ここまでなら朗報ということで問題なかったのですが、最高の☆3個を獲得した8軒のうちに寿司屋が入っており、この寿司屋の評価をめぐって世論が分かれたのは記憶に新しいところです。「フランス人に寿司がわかるか!」、「値段だけで判定したのだ!」というのが批判派の主張でしたが、調査したのが日本人2人とヨーロッパ人3人の「覆面調査員」で、1500店を1年半かけて調査した結果だとは知りませんでした。だったら「フランス人に寿司がわかるか!」とは言い切れないと思います。
「覆面調査員」で思い出したのですが、1年ちょっとくらい前でしたか、これと似たようなケースがパリでありました。パリでは和食ブームにのって「日本食レストラン」が600店もあるものの、店によってはどう間違っても和食といえないようなヒドいものを出すところがある。で、同地の邦人有志が集まって「覆面調査員」となり600店のうち50店を正統と認めようとしたのです。その後、農林水産省が同じような趣旨で海外における「正しい日本食」を出す店の認定制度を実施しようとしたのですが、さすがにこれは猛反対に遭い、「認定」を「支援」と変更したいきさつがありました。
以上二つの件を考えてみますと、日本人にとって日本食というのは非常に重要なものだということになります。アイデンティティなのです。ところでラーメン、カレーは日本人の二大好物ですが、もとはといえば他国の料理で、日本で「帰化」し「開花」した日本人の国民食です。なれば寿司もアメリカにわたって「カリフォルニア巻き」となったって一向に差し支えないし、逆輸入されて日本でも定番化されてきています。だったらいっそのことフランス、ドイツにわたってエスカルゴの「パリ巻き」やソーセージの「フランクフルト巻き」なんて出てくれば面白い。海外の名前がついたのが気にくわなければ一緒くたにして「創作寿司」としてしまえば問題ありません。寿司の国際化に役立ちます。
寿司で生粋派と国際派が議論を白熱化させるのはまだわかりますが、およそ理解できないのが「お好み焼き」にも生粋派がいることで、ターキーをお好み焼きに入れるのは邪道という意見にはいささか驚きました。もともと「お好み焼き」というのはお好みで何をいれてもかまわない食べ物ではなかったのでしょうか?
しかしいくら日本食の国際化が進んでも「おせち料理」に関しては国際化も創作化もないでしょう。「おせち料理」は和食生粋派にとって最後の牙城なのだ…といえば大げさですか?








