せんだって所用でトルコへ行ってきました。初めて訪れる国でしかも行先がイスパルタという、およそ聞いたことがない地名の街。正味わずか17時間の滞在でしたので予備知識なしで出かけたのですが、この田舎町でいくつか異国ならではの経験をしました。
イスパルタに最寄の空港がアンタルヤ。空港の到着ロビーには大きな垂れ幕があり、歓迎という言葉がトルコ語、ドイツ語、ロシア語で記されています。察するところ、このアンタルヤという都市はドイツ人およびロシア人観光客がひしめくリゾート地のようで、そういえばどこかで耳にしたことがある地名だと気づきました。目的地のイスパルタはこのアンタルヤからクルマで2時間。諸事情で夜9時すぎに到着。丘の上の洒落たレストランで遅めの夕食。食堂の大きな半球状の天井には沢山のバラが描かれています。そういえば市内の電柱の多くにはバラのネオンが灯っていたな……どうやらこの街はバラでもってるようだ。ここに至って所用というのがバラ園の見学であることを思い出しました。
で、夕食なのですが田舎だけあって敬虔なイスラム教徒が多いせいか、アルコールは一切ご法度。外人にも飲ませない…というより全く置いてない。そのかわりかどうか知りませんがレストランのサービスとして出てきたのが、把手のないブリキのバケツを小さくしたような金属製の容器に入った大量の水で(ゆうに半リットルはあったと思います)底に干しぶどうが数個沈んでいます。「はてな?」と飲んでみましたらこれが高濃度の砂糖水でシナモンの香りがします。あまりの甘さに閉口しました。半分以上残してしまいましたが、これって食前酒の代用なのでしょうか?
長旅の疲れで、ホテルの寝心地のよくないベッドで熟睡していましたら早朝4時半すぎ(おそらく日の出の時刻だったのでしょう)に耳をつんざくような大音声で流れてくるコーランの朗唱のテープに叩き起こされました。しかも7分(しゃくなので一体何分続くのか時間を計りました)も続くのですからもう憤慨をとおりこして仰天。やっと終わって、寝なおそうと思うと今度は雀がピーチクパーチクうるさく鳴き始めて寝付けず疲れが溜まってしまいました。朝食時に案内役のトルコ人に苦情を言おうとすると、先方が先手を打ってきて「いかに信心深い街とはいえ、未明からあんな大音声でコーランを流すことは禁止されている。苦情の手紙を投書してやる。トルコ全土方々回ったがイスタンブールでもイズミルでもコーランを流すが音量は控えめにするのがふつうだ」と怒り心頭の発言。これにはいささか驚きました。トルコ人がこうまで怒るのですから普通ではありません。ま、およそ海外からの観光客がくるところではないので、いいのでしょうが…。
広大なバラ園と莫大な量のバラの花を見学していて、上記の案内役からトルコの国花がチューリップだと教わったのは意外でした。「チューリップはオランダのトレードマークのはずだが…」と言うと、「いや、トルコが原産。トルコからオランダに渡ったのであって、トルコがチューリップの本家」とバラ園の真ん中で胸を張る。思わず笑ってしまいました。
アンタルヤではEUの貨幣であるユーロがすんなり通用し、クルマのプレートはほぼEUのもので(小さいEUの星マークが入ってないだけです)、いつEUの一員になってもいいような準備だけはできているようにみえました。しかしトルコという国が地理的(小アジア半島)にも宗教的(イスラム教)にもヨーロッパに属するのかという素朴な疑問が出てきます。今後のトルコの動向に注目したいと思います。








