今、ドイツに滞在しています。
先週の週末、シュトゥットガルトでミネラルフェアがあり、知人から招待券をもらいましたので見に行ってきました。展示即売で出品物も宝石,アクセサリーのたぐいから化石、結晶まで多種多様。おりからクリスマスプレゼントを物色しようとする人々も押しかけて会場はかなりごったがえしていました。
小生は鉱物については造詣が深くなく、専門分野の一部の鉱物についてしか知識がありません。しかし宝石のルビーやサファイアといった鮮やかな色はもとより、マラカイトの緑色、パイライトの金色、ハニーカルサイトの琥珀色などは、植物の生きた色合いとは全く違った、無機質独特の強い色調で見る者に深い印象を与えます。フェアで面白かったのは直径15cmほどの、ジオード(晶洞)というほぼ球状の石が100gあたり400円で売られていたことで、おおよその重さが1kgですので一個4.000円前後ということになります。中は空洞なのですが割らないかぎり中の様子はわからない。買うとその場で二つに割ってくれます。なんだか福袋ならぬ福石といった趣で、運がよければ中にきれいな結晶が析出しているという趣向。おもしろいですね。小学校低学年の女の子二人が、“割りたて”の見事な結晶を含んだ半球の石をそれぞれ手にして喜色満面でした。きっと父親に買ってもらったのでしょう。こちらまでうれしくなりました。
小生もなにかひとつ、石を購入しようと思ったのですが何を買おうか迷いました。実は小生が興味をそそられるのは、地球の石ではなく隕石なのです。それも隕鉄といわれるもので、いわばニッケルと鉄の合金です。ですから地球上の石よりは倍ほど重く、手にとるとずっしりとした感触があります。この隕鉄の切断面を処理するとウィドマンシュテッテンと呼ばれる模様が現れ、これが隕鉄が宇宙由来であることの証明になります。隕鉄は火星と木星の間に存在する小惑星郡から飛来してきたとされていますが、そんな遠方からやってきて偶然地球にひきつけられ、それがこうして今自分の手のひらにある…自分は宇宙へ行くことはできないが、宇宙の物質が今、自分の手中にある…なんだか宇宙とつながったような感じになります。たまたま単なる隕鉄ではなく、オリビンという地球にも存在する鉱石を含んだ、ごく小さな3cm四方で厚さ3mmの隕鉄(鉱物名をパラサイトといいます)のを見出し、ブースのロシア人のおっさんと値段交渉をして、一万円を八千円にさせました。あまりいい駆け引きではなかったのですが、珍しいので折れました。人気のトルマリンの販売は産地がアフガニスタンということでブースはアフガン人が主でしたが、結構手ごわい。たとえば「一万円」といわれて、「高い」といいますと、「いくらなら買う?」と聞いてきます。ここでたとえばヘタに「七千円」といえば、「OK」といわれて、ひっこみがつかなくなります。「千円!」といえば「ふざけるな!」ということになり、これもあまりいいザマではありません。こうなってくるともうまるで中近東のバザールの雰囲気です。
日本のミネラルフェアにはまだ出向いたことがありません。いったいどんな雰囲気なのか、一度出向いて当地のフェアと比較してみたいと思います。








