暖冬の日本を離れ、厳寒のドイツで仕事をこなしております。小生は寒さには結構強いほうで、心身ともに引き締まる凍てつくような寒さは、さほど苦にはなりません。
せんだってドイツ南東部にあるニュルンベルクで催された「ビオファッハ」というオーガニックフェアに行ってきました。このフェアはドイツで始まり今年で20年目。現在ではドイツだけではなく、米国、中国、インド、ブラジル、日本でも毎年催されています。ドイツのビオファッハは毎年規模が大きくなり、今年はブースが大小あわせておよそ2000で、大半が食品関係でした。これは極めて好都合でして、ちょうど昼食時だったものですから、好みに合いそうなブースを片っ端から訪れて試食を重ねました。まずはオーガニックのコーンスープ、前菜はサラダと生ハムの二種、メインは豆腐のステーキ、ドリンクは豆乳、デザートはコーヒーとクッキー、りんご、おやつタイムにはナッツやポテトチップ、のどが渇けばナトリウムを超微量しか含まないミネラルウォーターと、10以上のブースをハシゴするのは確かに面倒で、しかも人気のブースには列ができていたりしましたが、全部バイオで、しかも無料ですので根気強く回りました。
満腹後は,もう食品ブースに用はありません。雑貨部門の会場で面白そうなブースを物色していて、環境にやさしい食品容器というのが目に留まりました。コーンスターチから得られた薄膜で表面処理を施した厚紙カップというのはべつに珍しくもないのですが、疑問に思ったのが透明なプラスチック(のような)カップと一見発泡スチロール製のような深皿。話を聞くと、透明カップはポリ乳酸、深皿はサトウキビの繊維質から成っており、生物学的に分解されるというのです。「生物学的分解」について少し説明しますと、ドイツの一般家庭で庭のあるところではよく庭のすみに生ゴミを捨てるコーナーを設けてあります。自家製の有機肥料をつくるわけで、ここにポリ乳酸やサトウキビの繊維質から成る容器を入れると分解されるというのです。で、分解に必要なのが生ゴミ中の微生物、適温、湿り気の三つ。そして捨てられる容器は細分化とまではいかなくても足で丁寧に潰されていなければならず、生ゴミ層は適時ほぐされなければならない。ここまで聞いて疑問点がたくさん出てきました。以下に質疑応答を記します。「分解に要する時間は?」 「繊維質のもので4~6週間、ポリ乳酸はもう少しかかります」 「適温というが夏は分解が早く、冬は遅いということ?」 「そういうことです」 「じゃ、冬は倍以上の時間がかかる?」 「事情によっては」 「微生物というが特定の微生物が必要というのでは?」 「いいえ、ふつうの一般家庭の有機肥料中の微生物でOKです…ところで失礼ですが、あなた、いったい何者です?」 「いや、決して怪しい者ではない。以前、同じようなふれこみの容器を試して失望したことがあるだけなのだ。」 「はぁ、さようで…?」 人相がよくないせいか、日本からの産業スパイと思われてしまいました。
日本では駅弁やコンビニの容器にプラスチック製のものが多く使われていますが、分解性はどうなのでしょう。ドイツに遅れをとっているのだろうか…と考えながら会場を後にしました。








