過日、名古屋からフランクフルトへの機中で、とても面白い腕時計を購入しました。時計には針がないのですが、かといってデジタルの数字もなく、上の列に4つ、下の列には6つの小さな青いランプ(直径2mm)があるだけです。そして上の4つのランプには左から右へ8,4,2,1の数字が、下の6つには32,16,8,4,2,1の数字がついています。上の列は時間、下の列は分を表示し、点灯しているランプの数字を加算すれば時間がわかるというしくみです。ふれこみはBinary Timeで、数学でいうところの2進法が基になっていることがわかります。
で、右側面にある竜頭のようなボタンを押すと5秒間ランプが点灯します。つまり5秒以内に上下2列の光っているランプの数字をそれぞれ加算すれば時刻がわかるわけですが、これが結構むずかしい。さらにボタンを押せばまた5秒間ランプが点灯しますが、1分進んで、ランプの点灯位置が変わってしまう可能性もあるので、最初の5秒で時間を読み切るにこしたことはありません。が、時間のほうはまだしも、分のほうで6つのうちのどれか4つランプが光ると、足し算が面倒です。添付の写真では上の列が4+2+1で7、下の列が32+16+2で50、つまり7時50分ということになります。時計の説明書には、『はじめのうちは足し算がめんどうですが、3日もすればランプの光る位置から瞬時に時間がわかるようになります』とありますので、「そんなものかな…」とタカをくくっていましたら、一週間たっても瞬時どころか5秒以内に時間を計算できないことが重なり、「こんなはずでは…」と自己懐疑に陥りそうになりましたので、インターネットで『あなたの頭脳年齢をチェック:足し算編』を受験しましたら、なんと30歳代と検定されました。こうなればもう意地でも瞬時に時間がわかる境地に達せねばならぬと思うのですが、購入後3週間半経ち、毎日十回前後、ランプ点灯数字の足し算をしているにもかかわらずその兆しすらなく、「また間違った買い物をしたかな?」と憮然たる思いです。
ところで周囲の反応は非常に様々でした。社員食堂で腕時計をみながら足し算をしていましたら、真向かいに座った製造部門の従業員が「ほほう、腕時計型のテレビですか!さすが日本は進んでいますなぁ!」と感嘆。同じような感想を洩らしたのが3~4人いました。たしかに腕時計としてはケタはずれに重いし(90g、ふつうのは20~25g)、大きい(タテヨコとも4cm、厚さ1cm以上)。しかし腕時計型のテレビという発想が奇抜で大いに気に入りました。ケータイにテレビ機能が付く時代です。近いうちにテレビ機能が付いた腕時計が実現するかも知れませんよね。また、ある女性社員に時間を聞かれたとき、「上は2が光ってるから2時、下は…16+6+4+1で、エー27!2時27分!」と、5秒ほど経ってから大声で答えましたら、「時計の時刻、読めないのですか?お気の毒に…」と同情されてしまいました。癪にさわりましたので、「いや、これは普通の腕時計ではなくてバイナリータイムの時計なのだ。時間を確認するのに足し算が必要な格調の高い時計なのだ。」と言いますと、「そんなつまらないものを持って喜んでいるのですか、お気の毒に…」と重ねて同情されてしまいました。さらに息子二人にも見せたのですが、「ボケ予防にはいいかも…」などと憎まれ口を叩くだけで関心ゼロ。そういえば二人とも数学が中学、高校を通じて大の苦手だったことを思い出しました。
はたして年内にバイナリー腕時計を見て、瞬時に時間がわかるようになっているのでしょうか?なっていないと思います。








