先月中旬からドイツでは、サッカーのワールドカップで賑わっています。
巷にはドイツの国旗あるいは国旗を模した物が溢れていまして、写真のように大小の国旗を、マンションのベランダに飾ったり、クルマのドアに取り付けたり、凝ったところではサイドミラーの裏をドイツの国旗の三色にしています。そしてドイツの試合の実況中継があると市内の交通量は激減し、街中は静かになります。みんなが自宅でテレビを凝視しているわけでドイツチームがゴールをゲットすればあちこちから大きな歓声が聞こえてきます。この他、パン屋のおばさんが黒、赤、黄の三色のヘアバンドをしていたり、女子高生が兎のような耳(無論ドイツの三色です)を頭につけて街中を闊歩したりしています。つまり、ごく普通の日常生活の中にドイツの三色がやたらと目に付くようになり、ドイツの国民意識が否応なしに鼓舞されるわけです。日本ではこういう光景は見られないですよね。熱狂的なファンが大騒ぎすることはあるようですが、ドイツのように日常生活にまで国旗が入り込む余地はないでしょう。
ドイツに限らず、サッカーというのはヨーロッパではもう本当に国民的スポーツで、4年に一度のワールドカップとなりますと国家的行事と言っても大げさではないくらいです。それが証拠に大会中、フランスのチームに大きな内紛が起こって大騒動になり、おまけに1次リーグで最下位となっていいところなく敗退、恥の上塗りで醜態を世界中に晒したということで、スポーツ大臣のみならず大統領までが介入して事態の収拾を図ろうとしました。そしてある著名なベテラン選手が大統領との個人面接を直訴。これが受け入れられたというのですから普通では考えられない。逆にいえばサッカーがフランスとフランス国民にとってそれほどの重要事なのです。今、日本では大相撲が賭博スキャンダルで震撼していますが文科省が少し介入するぐらいで、首相が事態の収拾に当たるということはおよそ考えられない。国技である相撲でさえそうなのですから、日本的感覚からいえば、フランスではサッカーは国技以上のものとなります。とはいえ、フランス国内でもこれら一連の騒動を「茶番劇」と冷めた見方をする向きもあり、事態がどのように発展していくのか興味深いところです。
ドイツはやっとのことで1次リーグを突破、日本もめでたく決勝トーナメントに出場。この上は両国がさらに勝ち進んで、どこかで顔合わせすることになれば痛快だと思うのですが、はたしてどうなりますか…(コラム原稿締切の時点ではわかっていません)








