先日、『あ、そうなの』というタイトルの自然科学啓蒙書ともいえる文庫本を読んでいましたら興味深い記述がありました。インド式計算法がテーマでして、とてもユニークですのでご紹介いたします。
まず掛け算で8X7が例です。日本の小学校で九九を丸暗記させられましたので深く考えずに56とすぐ答えが出ますが、インド式ではそうではないのです。まず8と7を縦に書きます。そしてその横に「足して10になる数字」を書きます(8の横に2、7の横に3を書きます)。ここでスートラ(短い教条):『縦と斜め』が登場。つまりまず斜めの数字の差(7-2=5)を書き、次に上下の右の数字の積(2X3=6)を書けば答えが出るというものです(例1)。何もそんな面倒なことを…というのは早計!998X889ではどうでしょう?これを上記の『縦と斜め』に従えばあっという間に答えが887222と出るのです(例2)。驚きました。
しかし上記の例は10(8と7)もしくは1000(998と889)に近い数字の掛け算に適していますが100を少し越えた数の掛け算はそうはうまくいきません。102X107の場合では別の簡単な方法があるのです。まず二番目の数字の下一桁の数字(7です)を最初の数字に加えます。102+7で109となります。そして次に、両方の数字の下一桁を掛けます。そうして2X7で14が得られます。そして答としていとも簡単に10914が導き出されます。106X109で試算してみましたらちゃんと11554と出ました。
次のスートラは『前のよりもひとつ多く』。これは5で終わる数字の二乗を計算する場合のものです。752は5625です。前もって確かなのは5で終わる数字の二乗は下二桁が必ず25です。ですから56を導き出す方法を知ればよいのです。スートラのいう「前」というのは75の場合「7」で、これよりひとつ多いのは「8」です。で、7X8=56、そしてこれに25を付記して5625。これが答です。ホンマかいな…ウソみたいに簡単だけど…1152で試してみましたら、11X12=132、これに25を追記して13225…正解でした!
数学にかけてはインド人はケタはずれに秀でています。その原因は数千年にわたって培われてきた数学の遊び心にあるともいわれていますが、たしかにいろんなスートラを知っていれば計算が面白くてたまらなくなるのではないかと思います。数学嫌いの小中学生にこのような楽しい計算法を教えてやれば、数学嫌いも治ると思うのですが、どうでしょう。小生の子供三人は揃いも揃って大の数学嫌いでしたので、この計算法を教えてやりたかったですが、遅きに失しました。








