皆様はオーガニック食品を購入される場合、どういったことを念頭に置かれていますか?おそらく、「殺虫剤や雑草除草剤などが含まれていないので安全」、「人参などの野菜では味が全く違う」といったことを漠然と考えておいでではないでしょうか?日本では有機JASのマークがあればオーガニック食品となっているようですが、対象は農産物(野菜、穀物、豆類など)および農産物加工食品(ジュース、豆腐など)に限られ、畜産物(肉類、乳製品など)はオーガニック認定の対象外です。
しかしドイツでは農産物のみならず畜産物もオーガニック食品の対象になります。認定機関はBioland, Demeter, Naturlandの3つがあり、少しづつ規制が異なりますが、いづれかのマークがついていればオーガニック食品ということになります。これを反映して、オーガニック食品を購入する理由のトップは、「鶏、牛、豚など家畜が虐げられていない」で、「地元産」、「有害物質が含まれていない」、「添加物が少ない」、「環境保護」が続きます。虐げられている家畜の筆頭はニワトリで産卵用、食肉用を問わずきわめて狭い場所に閉じ込められているというのは周知のことですし、悪条件下の家畜の運送、乳牛の角の切除や子豚の麻酔なしの去勢などを考慮すれば、食用家畜が虐待されていないことが、オーガニック食品を選ぶ最大の理由というのもうなづけます。
次に「地元産だから」ですが、ドイツの市井調査によればすべての消費者の半数以上が地元産の食品を優先して購入します。しかしこの「地元」の定義があやふやですので、産地を明記させようという動きがあります。東京を例にとりますと、地元というのは都内に限定されるのか、関東地方全体も入るのか、といった感じです。地元産のメリットは運送距離が短いので排気ガスが長距離運送に比して少なく、またガソリンの節約にもなるので環境保護につながるということでしょう。しかし消費者の大半が各々クルマでスーパーに乗り付けて買い物をすると考えると、あまり説得力のある見解だとは言えません。また地元で採れたリンゴでも、見た目が新鮮であるようにと、酸素の少ない冷蔵倉庫に貯えられるので、翌年夏まで貯蔵されるとすると、地元産のリンゴは船で輸入される南半球の遠い異国からの新鮮なリンゴとほぼ同じエネルギーを消費することになります。したがいまして消費者は旬のものを自転車か徒歩で買い出しに行けば一番いいということになります。
ドイツではいつもオーガニック食品を買う消費者はわずか2%で、しばしば=19%、ときどき=55%、全く買わない=23%、無回答=1%となっています。このデータだけではドイツ人のオーガニック度がよくわからないということで、一年間にオーガニック食品を購入する国民一人当たりの金額を円に換算して隣国と比較しますと、スイスが16800円、デンマーク15800円、ルクセンブルク14000円、ドイツ8800円で、ドイツ人のオーガニック度が決して高くないことが分かります。オーガニックの卵や肉の価格はふつうのものと比してほぼ倍ですし、ミルクは5割高、パンは2割高となれば、やはり躊躇せざるを得ないのでしょう。しかし、この10年でオーガニック食品の生産総面積が世界的に見て3倍以上になっています。この傾向は続くでしょうし、廉価なオーガニック食品の普及を期待したいと思います。








