赤ちゃんのお風呂の入れ方ガイド|時期別に分けて解説
「初めての子育てで赤ちゃんをしっかりとお風呂に入れられるか不安」「まだ新生児だけどいつまで沐浴でいいの?」などの不安を感じている人もいるのではないでしょうか。
乳児のお風呂は新生児期と生後1ヶ月以降で入れ方がかわります。それに応じて、お風呂の入れ方はもちろん、流れや準備すべきものも異なるため、事前に全体を理解しておくことが大切です。
この記事では、赤ちゃんのお風呂の入れ方について、時期別に分けて説明します。
・赤ちゃんのお風呂に関する基礎知識、注意点
・新生児期のお風呂の入れ方
・生後1ヶ月以降のお風呂の入れ方
目次
- 1-1.
- 新生児期(生後4週間)までは沐浴
- 2-1.
- 用意するもの
- 2-2.
- お風呂の流れ・洗い方
- 2-2-1.
- 1.ベビーバスにお湯をはる
- 2-2-2.
- 2.足からゆっくりとベビーバスに入れる
- 2-2-3.
- 3.ガーゼで顔を拭く
- 2-2-4.
- 4.頭を洗う
- 2-2-5.
- 5.体の正面をやさしく洗う
- 2-2-6.
- 6.うつぶせにして背面を洗う
- 2-2-7.
- 7.体をすすぐ
- 2-2-8.
- 8.バスタオルでくるんで水分をふきとり保湿をする
- 2-3.
- 新生児のお風呂のポイント
- 2-3-1.
- お湯の温度は38度を目安に
- 2-3-2.
- 10分以内に終わらせる
- 3-1.
- 用意するもの
- 3-2.
- お風呂の流れ
- 3-2-1.
- 1.自分の髪と体を先に洗う
- 3-2-2.
- 2.赤ちゃんの顔・頭・体を洗う
- 3-2-3.
- 3.洗い終わったら一緒に湯船に浸かる
- 3-3.
- 一緒に入る場合のポイント
- 3-3-1.
- 脱衣所・浴室内を温めておく
- 3-3-2.
- 赤ちゃんが待機できるスペースを確保しておく
- 4-1.
- 空腹時や授乳直後は避ける
- 4-2.
- シャワーの水圧は弱めに
- 4-3.
- いきむ様子を見せたら湯船から出る
- 4-4.
- 赤ちゃんから目を離さない
- 4-5.
- 入浴後は必ず水分補給を行なう
- 5-1.
- 赤ちゃんをお風呂に入れる頻度は?
- 5-3.
- 沐浴の際はどこで洗うのがいい?
赤ちゃんのお風呂に関する基礎知識
赤ちゃんのお風呂に関して、まずは基礎知識をおさえておきましょう。新生児期間の沐浴と、生後1ヶ月以降にわけて解説します。
新生児期(生後4週間)までは沐浴
新生児期の赤ちゃんは、ベビーバスなどにお湯をため、沐浴で体を洗います。
大人が入る通常のお風呂は、新しいお湯に換えても雑菌が存在するとされています。そのため、生まれたばかりで抵抗力が弱い赤ちゃんには適しません。
へその緒が完全に乾いて取れるまでは、赤ちゃんを雑菌から守るようにしてください。そのため、生後4週間以内の新生児期はベビーバスを使った沐浴を行いましょう。
生後1ヶ月を過ぎたら大人と同じお風呂でもOK
新生児期を過ぎたら、お風呂デビューが可能です。
しかし、まだ心配だと感じる人もいるでしょう。その場合は、1ヶ月健診の際に大人と一緒に入浴しても大丈夫か確認すると安心です。
新生児期のお風呂の入れ方
新生児期の沐浴は、初めてだと戸惑ってしまうことも多いでしょう。新生児期のお風呂の入れ方について、用意するものや洗い方の手順、ポイントを紹介します。
用意するもの
以下が沐浴に必要なアイテムです。
ベビーバス | ・キッチンのシンクや洗面台に置けるものなどさまざまなタイプがある ・沐浴をする場所に合わせて選ぶ |
洗面器 | ・顔を拭くときや、湯上りに体をすすぐために必要 |
沐浴布(ガーゼ) | ・沐浴のときに赤ちゃんの体を覆う柔らかい布 ・赤ちゃんを保温するとともに、安心感を与える |
ベビーソープ | ・片手で泡を出して洗える泡ポンプタイプが良い ・デリケートな肌に優しいものを選ぶ |
温度計 | ・快適に沐浴できるよう、お湯の温度、沐浴する場所の温度を測る |
湯上がり用のバスタオル | ・湯冷めしないよう、沐浴後すぐに水分を拭き取るために必要 |
着替えやオムツ | ・湯冷めせずすぐに着替えさせられるように用意 ・肌着とベビー服を重ねておくと良い |
ベビー用保湿ローション | ・沐浴後は乾燥しやすく、保湿が大切になるため |
お風呂の流れ・洗い方
次に、順序ごとに洗い方を説明します。
- 1.ベビーバスにお湯をはる
- 2.足からゆっくりとベビーバスに入れる
- 3.ガーゼで顔を拭く
- 4.頭を洗う
- 5.体の正面をやさしく洗う
- 6.うつぶせにして背面を洗う
- 7.体をすすぐ
- 8.バスタオルでくるんで水分をふきとり保湿をする
洗う前後の工程も含め、詳しい洗い方をチェックしましょう。
1.ベビーバスにお湯をはる
ベビーバスの7分目くらいまでお湯をためます。
また、顔用とあがり湯用のお湯も、同じタイミングで洗面器に分けて準備しておきましょう。顔を拭くときと全身を洗い終えてから体をすすぐタイミングで、きれいなお湯が必要となります。
2.足からゆっくりとベビーバスに入れる
赤ちゃんをガーゼに包み、足からそっとお湯の中にいれましょう。
裸でお湯に浸かると不安になってしまう赤ちゃんもいます。そのため、沐浴布にくるみ、安心して入浴できるようにしてあげます。
入れるときは、親指と中指で耳を押さえて首を支えることがポイントです。また、利き手のほうが洗いやすいため、首を支える手は反対の腕にするとやりやすくなります。
3.ガーゼで顔を拭く
洗面器に用意しておいたお湯でガーゼをぬらし、目のまわりと顔全体を優しく拭きましょう。
目のまわりは目頭から目尻に向かって、顔全体はおでこ⇒鼻⇒口へ「3」の字を書くようにすることが、基本的な顔の拭き方です。一回ごとにガーゼを洗うか、違う面を使って清潔な状態で拭きます。
4.頭を洗う
手でお湯をかけて頭をぬらし、よく泡立てたベビーソープをつけて洗いましょう。指の腹を使い優しくなでるようにし、とくに毛の生え際は丁寧に洗うことがポイントです。
洗い終わったらお湯ですすぎ、湯冷めしないようガーゼで水気を拭き取ります。
5.体の正面をやさしく洗う
首⇒胸⇒手・腕⇒お腹⇒足の順に、体の正面をたっぷりの泡で優しく洗います。
首、脇の下、脚の付け根、膝裏といったくびれが多い部分は、シワをのばしながら洗いましょう。胸やお腹は優しくさするようにします。
洗うときは肌の露出による体温の低下を防ぐため、洗う部分だけガーゼをとり、終わったら都度かけ直すことが基本です。
6.うつぶせにして背面を洗う
背中からお尻に向かって、背面を洗いましょう。お尻はオムツかぶれを防ぐため、丁寧に洗うことが大切です。
うつぶせにするときは、肩を支えながらゆっくりと向きをかえます。ただし、うつぶせの体勢が難しければ、仰向けのまま背中を浮かせて洗っても問題ありません。
7.体をすすぐ
洗面器に用意しておいたあがり湯で泡を洗い流します。シャワーが使えるのであれば、弱い水圧で優しくかけていきましょう。
すすぎ残しがないよう、しっかりと洗い流すことが重要です。
8.バスタオルでくるんで水分をふきとり保湿をする
準備しておいたバスタオルに赤ちゃんをのせ、タオルで体をくるむようにして水分を拭き取ります。とくに、首や脚の付け根といったくびれの多い部分は、丁寧に水分を拭き取りましょう。
体を拭いたあとは、赤ちゃん用のオイルやローションなどで保湿して着替えをします。肌の状態をみて、保湿アイテムを使い分けると効果的です。
新生児のお風呂のポイント
新生児をお風呂に入れる際は、赤ちゃんに負担がかからないよう、お湯の温度や時間に注意しなければなりません。ここからは、沐浴のポイントを2つ紹介します。
お湯の温度は38度を目安に
沐浴の適温は38度前後です。大人がお風呂に入るときよりも、ややぬるい程度にしておきます。
事前に自分でも触って温度を確かめ、温度計を使って正確に測ると安心です。この温度を目安とし、季節によって調整しましょう。
10分以内に終わらせる
長時間お湯につかることは避け、お風呂の時間は全体でも10分以内にしましょう。
新生児の赤ちゃんは体温が高くのぼせやすいほか、長時間の入浴は肌の乾燥や体力の消耗につながることがあります。体を洗う時間は5分くらいにし、着替えやからだを拭く時間もあわせて10分以内にすると、赤ちゃんへの負担が少なく済むでしょう。
大人と一緒に入る場合(生後1ヶ月以降)のお風呂の入れ方
生後1ヶ月以降は、沐浴を卒業して大人と一緒に通常のお風呂に入れられます。大人と同じお風呂に入れる場合の手順、用意するものと入れる際のポイントについて見ていきましょう。
用意するもの
ガーゼ | ・体を洗ったり拭いたりするために必要 |
ベビーソープ | ・赤ちゃんの敏感肌でも使える低刺激性のアイテムが必要 |
温度計 | ・お湯、浴室、脱衣所の温度を測るために使用 |
湯上がり用のバスタオル | ・湯冷めを防ぐため、すぐに体を拭けるようタオルを広げておく |
着替えやオムツ | ・湯冷めしないうちに着替えられるよう、肌着とベビー服は重ねておく |
ベビー用保湿ローション | ・乾燥予防のため、お風呂上がりの保湿が大切 |
以上が必ず用意すべきアイテムです。また、次にあげるアイテムはあるとより便利なもののため、参考にしてください。
【あると便利なもの】
バウンサーやバスチェア | ・大人が体や髪を洗う間など、赤ちゃんに待機してほしいときにおすすめ |
浴室用マット | ・寝かせながら赤ちゃんの体を洗える |
取っ手付きの手桶 | ・お湯をかける際にあると便利 |
バスローブ | ・お風呂上りに自分の体を拭いて着替える手間を省ける |
お風呂の流れ
赤ちゃんをお風呂に入れる流れは、以下の4ステップです。
- 1.自分の髪と体を先に洗う
- 2.赤ちゃんの顔・頭・体を洗う
- 3.洗い終わったら一緒に湯船に浸かる
- 4.お風呂から上がったらタオルで水気を拭き取り保湿する
それぞれの手順と内容を紹介していきます。
1.自分の髪と体を先に洗う
赤ちゃんはオムツだけを着用している状態にし、脱衣所に寝かせておきましょう。まずは自分が髪と体を洗い、その間は赤ちゃんを待たせておきます。
このとき、浴室のドアを開けたままにしておくと、脱衣所にいる赤ちゃんの様子が確認できるため安心です。
2.赤ちゃんの顔・頭・体を洗う
基本的に沐浴と同じ洗い方をし、顔⇒頭⇒体の順で進めていきます。
体勢は、椅子に座らせる、バスマットに寝かせる、または抱っこした状態で洗いましょう。自分がやりやすい方法をとって問題ありません。
まずはそのままの体勢で洗える前面を洗い、向きを変えたら背中やお尻を洗います。汗やおしっこでよごれやすい部分は、より丁寧に洗いましょう。
生後2ヶ月、3ヶ月と成長するのに合わせて、バスチェアを使ったりつかまり立ちをさせたりすると洗いやすくなります。
3.洗い終わったら一緒に湯船に浸かる
浴槽の中では自分の膝に赤ちゃんを乗せ、首を支えながらしっかりと抱っこします。
湯船に浸かる時間は3分程度を目安にしましょう。沐浴のときと同様、長く浸かりすぎると赤ちゃんの体に負担がかかってしまいます。赤ちゃんの体調や季節によって調整しつつ、洗う時間も含めて入浴時間は10〜15分以内に収めることが基本です。
4.お風呂から上がったらタオルで水気を拭き取り保湿する
すぐにタオルでくるみ、優しく水気を拭き取ります。湯冷めをしないよう、丁寧かつ素早く行ってください。
からだを拭いたらスキンケアと着替えを行います。ベビー用ローションや保湿剤を使い、肌が乾燥しないようにうるおいを与えましょう。
一緒に入る場合のポイント
赤ちゃんと一緒のお風呂では事前の準備が欠かせません。もたつかないためにおさえておくべきポイントを2つ紹介します。
脱衣所・浴室内を温めておく
赤ちゃんは体温を調節する機能の発達が未熟であるため、寒暖差がないように脱衣所と浴室内を温めておきましょう。
浴槽のフタをしばらく開けておく、ヒーターを置いておくなどして、脱衣所・浴室内の温度を上げておきます。また、熱いシャワーで勢いよく出すことも浴室内を温めることに効果的です。
赤ちゃんが待機できるスペースを確保しておく
赤ちゃんを待たせるスペースやお風呂からあがったときに寝かせる場所も用意しておきます。
まず、自分が体や髪を洗っている間に赤ちゃんを寝かせておく場所を準備しておきましょう。マットやバウンサーを用意し、周辺を片づけておくと赤ちゃんが安全に過ごせます。
赤ちゃんをお風呂に入れる際の注意点
赤ちゃんの負担を少なく、安全にお風呂へ入れるためには、いくつかのポイントに注意しなければなりません。赤ちゃんをお風呂に入れる際の注意点を5つ紹介します。
空腹時や授乳直後は避ける
授乳直後は吐き戻しの恐れがあり、空腹時は体力を消耗してしまうため、お風呂に入れるタイミングには注意が必要です。
お腹がいっぱいの状態で動くと、赤ちゃんは気持ち悪くなってしまいます。授乳やミルクを飲んでからしばらく時間をおき、お風呂に入れましょう。
また、空腹時はぐずりやすく、なおかつ体力も消耗してしまうため、赤ちゃんの様子を見ながらお風呂に入れてあげましょう。
シャワーの水圧は弱めに
シャワーをあてるときは弱めの水圧に調整しながら行いましょう。
赤ちゃんには大人が使うシャワーの水圧は強すぎるため、そのままあてるとびっくりしてしまいます。水圧を弱くし、優しく洗ってあげることがポイントです。
シャワーヘッドを手のひらでつつむ、ガーゼを被せるなどすると、簡単に強さが調節できます。
いきむ様子を見せたら湯船から出る
お風呂で気持ちよくリラックスすると腸が動き、プリッとしてしまうこともあります。
赤ちゃんがいきむ様子を見せたら、急いで湯船から出しましょう。間に合わなかった場合、すぐに湯船から出てシャワーや清潔なお湯でしっかりと洗い流します。
赤ちゃんから目を離さない
赤ちゃんから常に目を離さないようにし、声かけをすることが大切です。
沐浴のときは洗うことに一生懸命で全体が見えていないと、知らないうちに赤ちゃんがお湯を飲んでしまっていることがあります。
一緒に入る場合は、自分が髪や体を洗っている間、赤ちゃんを脱衣所で待たせている状態になります。赤ちゃんは一人では不安になりやすいので、浴室のドアを開けて見えるようにし、声かけをしてあげましょう。
赤ちゃんは好奇心旺盛なため、少し見ていない間にボディソープをなめてしまったり、浴室で滑ってしまったりすることもあるため、目を離さないよう注意しましょう。
入浴後は必ず水分補給を行なう
お風呂からあがったら、母乳やミルクで水分補給をすることが大切です。
入浴中は温まって汗をかくため、体内の水分が失われてしまいます。入浴後にスキンケアや着替えを済ませたら、母乳やミルクで水分を与えてあげましょう。
赤ちゃんのお風呂に関するよくある疑問
赤ちゃんのお風呂は、慣れるまでは不安ばかりです。ここからは、赤ちゃんのお風呂に関してよくある疑問に答えていきます。
赤ちゃんをお風呂に入れる頻度は?
1日1回以上はお風呂に入れましょう。
赤ちゃんは新陳代謝が激しく、汗をかきやすいです。お風呂に入らなければ、汗や汚れによって肌荒れを起こしてしまう恐れがあります。基本的には毎日入れるようにしましょう。
ただし、赤ちゃんやお母さん・お父さんの体調が悪い日などは、お休みしても問題ありません。お風呂に入れない日は、お湯に浸して絞ったガーゼで体をきれいに拭き、着替えさせてあげます。
お風呂に入れる時間帯はいつぐらいがいい?
沐浴はできれば日中に、一緒に入るようになったら眠る2時間前までを目安にしましょう。
沐浴の場合、夜間に行うと体を冷やしてしまう恐れがあるため、日中に済ませます。また、赤ちゃんの生活リズムを整えるためにも同じ時間帯に入れると良いでしょう。
一緒に入る際は就寝2時間前までに済ませましょう。就寝直前に湯船に浸かると体温が上がり、眠気がさめてしまうことがあるためです。
沐浴の際はどこで洗うのがいい?
浴室はもちろん、キッチンや洗面台でも大丈夫です。
沐浴を行う場所は、ベビーバスを使えるスペースを確保できる水場であれば、浴室でなくても問題ありません。自分がどの体勢や場所であれば洗いやすいか考えて決めましょう。
なお、浴室以外で行う場合も、温度変化には気をつけ、室温の調整が必要です。
赤ちゃんのお風呂の入れ方・ポイントまとめ
赤ちゃんのお風呂は、生後4ヶ月までが沐浴で、生後1ヶ月を過ぎたら大人と同じお風呂デビューができます。赤ちゃんは汗をかきやすいため、基本的には毎日入れてあげましょう。
沐浴のときはベビーバスを使い、ガーゼやベビーソープを使って優しく洗います。38度くらいの温度のお湯を目安に、10分以内で終わらせることがポイントです。
生後1ヶ月以降は、大人と一緒に入れるようになります。大人が体や髪を洗っている間は脱衣所で待機させるため、浴室内や脱衣所の温度と環境を整えておきましょう。