脂性肌(オイリー肌)の正しいスキンケア方法を徹底解説

脂性肌(オイリー肌)は、テカリが気になる、化粧が崩れるといった肌悩みが起きやすくなります。しかし、改善しようとスキンケアアイテムを変えてもうまくいかない、といった人もいるのではないでしょうか。

脂性肌は皮脂が過剰に分泌されている状態です。そのため、ゴシゴシと皮脂を洗い落とすことが有効なように感じますが、実は間違ったスキンケア方法です。逆に脂性肌を悪化させる恐れがあります。

ここからは、脂性肌を改善して肌質を整えるための、正しいスキンケア方法とポイントをご説明します。

この記事でわかること
・脂性肌の正しいスキンケア方法
・脂性肌のスキンケアにおけるポイント
・脂性肌を改善するための正しい生活習慣

脂性肌の正しいスキンケア方法

脂性肌はオイリースキンとも言われ、水分・油分ともに多い肌質です。皮脂が過剰に分泌されており、テカリが目立つ状態で、とくにTゾーンは毛穴が大きく皮脂量も多い傾向にあります。また、ニキビや吹き出物ができやすいことも特徴です。

それでは、脂性肌の人はどのようにケアをしていくべきなのでしょうか。基本的なスキンケアは以下の4ステップです。

  1. 1.クレンジング

  2. 2.洗顔

  3. 3.保湿

  4. 4.紫外線ケア
ステップごとにスキンケアの特徴を紹介します。

クレンジング

脂性肌は皮脂の分泌量が多いため、メイクを落とさずに寝てしまうと毛穴詰まりやニキビ肌の原因となります。そのため、クレンジングが必要になります。

ただし、皮脂が気になるからといって、クレンジングに時間をかけることは逆効果です。40秒~1分を目安にメイクを落としていきましょう。ゴシゴシと強くこするのではなく、肌への刺激にならないよう、指の腹で優しく丁寧になじませます。

なお、脂性肌の場合、べたつきを気にして洗浄力の強いタイプを選んでしまう人もいます。しかし、必要な油分まで落としてしまうと乾燥しすぎてしまうため、余分な皮脂を落としながらうるおいも残せるアイテムを選びましょう。

洗顔

基本的に以下の手順で洗顔をします。

  1. 【洗顔方法】

  2. 1.たっぷりの泡を泡立てる

  3. 2.Tゾーンに洗顔料をのせる

  4. 3.Uゾーン、目元・口周りの順で優しく洗う

  5. 4.ぬるま湯でしっかりとすすぐ

  6. 5.やさしくタオルドライ
洗顔は朝と夜の2回行いましょう。テカリが気になるからと何度も洗顔をすると、乾燥して余計に皮脂を分泌してしまいます。

温度は、36~38℃のぬるま湯で行います。肌を刺激しすぎず余分な皮脂を落とすため、お湯の温度にも注意しなければなりません。

しっかりと泡立て、皮脂分泌の多いTゾーンからこすらず優しく洗うことがポイントです。ゴシゴシと洗ってしまうと、摩擦によるダメージでさらに余分な皮脂が分泌される恐れがあります。また、タオルドライも皮脂腺を刺激しないよう優しく行いましょう。

保湿

洗顔後すぐに化粧水をつけ、水分と油分のバランスを整えます。

脂性肌であっても保湿ケアは必須です。洗顔後に保湿をせず乾燥した状態でいると、バリア機能が低下して肌を守るためにより皮脂が分泌されてしまいます。そのため、水分を与えることで油分とのバランスをとることが大切です。

化粧水は洗顔後できるだけ早くつけましょう。洗顔によって油分が落とされている状態であるため、時間が経つとどんどん肌が乾燥してしまいます。

まずは化粧水で保湿をし、そのあと油分が多く含まれる乳液で肌の表面にフタをして、水分や美容成分が蒸発しないようにしましょう。

紫外線ケア

紫外線を浴びると肌の水分量が低下し、これ以上乾燥させないように皮脂の分泌が多くなってしまうため、季節や天気に関係なく紫外線ケアを行うことが必須です。日焼け止めはもちろん、日傘や帽子などを使って紫外線対策をしましょう。

日焼け止めを塗る際は、肌をこすらないようにメーカーが推奨している適量をたっぷりとつけます。顔に点置きしてムラなく広げていくことが大切です。

また、日焼け止めは2~3時間ごとに塗り直しましょう。朝塗るだけでは汗や皮脂で落ちてしまうため、紫外線対策の効果を維持するためには、こまめに塗り直さなければいけません。

脂性肌を改善するためのスキンケアのポイント

脂性肌を改善するためには、適したアイテムを使い、刺激を与えないようにケアすることが大切です。ここからは、改善に向けたスキンケアのポイントを3点紹介します。

肌を擦らない


オイリー肌の人は特にクレンジングや洗顔中に、肌を強く擦らないようにしましょう。

肌を擦るとダメージが与えられ、バリア機能が低下してしまいます。バリア機能の低下は乾燥の原因となり、過剰な皮脂分泌につながるため注意しなければなりません。

スキンケアでは、どの工程においても優しく丁寧に行うことが基本です。さらに、タオルで顔を拭く際も摩擦に注意して行いましょう。

油分が多い化粧品を使わない


オイリー肌の人は油分をとりすぎないよう、アルコールフリーやオイルフリーのアイテムを使用することがおすすめです。

脂性肌の場合、油分の多いスキンケアアイテムを使うと、ニキビや毛穴詰まりといった肌トラブルが悪化しかねません。そのため、油分が多く含まれるアイテムの使用は避けましょう。

アルコールを含む場合、肌への刺激となり負担が大きくなる恐れがあるため、アルコールフリーが有効です。また、オイルフリーのアイテムは、べたつかずさっぱりとした仕上がりになります。スキンケアアイテムをライン使いしている場合、オイリー肌に適したものか確認してみましょう。

皮脂の分泌を抑制する成分が配合されたアイテムを使用する


脂性肌は皮脂の過剰分泌が原因であるため、皮脂分泌を抑制する成分が配合されているアイテムを使用しましょう。皮脂を抑制する主な成分は以下の通りです。

・ビタミンC
・β-グリチルレチン酸
・ライスパワーNo.6
・ビタミンB6
・塩酸ピリドキシン

例えば、ビタミンCは皮脂の分泌を抑制する代表的な成分です。ビタミンCに含まれる誘導体には、皮脂をコントロールする作用があるほか、酸化を防ぐ働きもあります。抗酸化作用によって、皮脂の過剰分泌から生じてしまう毛穴の開きや黒ずみも予防します。

配合成分をチェックして、脂性肌改善に効果的なアイテムを選びましょう。

脂性肌の改善にはスキンケアだけでなく私生活の見直しも大切

脂性肌が悪化する要因は、食生活や生活習慣にもあります。そのため、脂性肌を改善するには、スキンケアだけでなく根本的な身体の内側のケアも大切です。ここからは、私生活において見直すべきことを4点紹介します。

甘いものや脂っこいものを食べすぎない


糖質や脂質のとりすぎは、過剰な皮脂分泌の原因となります。

糖質:白米、パン、麺類
脂質:バター、動物性の脂、肉類

糖質をとりすぎると血糖値が上昇して皮脂腺が刺激されるため、皮脂の分泌量が多くなります。白米、パン、麺類などにも糖質が多く含まれているため、食べすぎには注意しなければなりません。

また、飽和脂肪酸が多く含まれるバターや動物性の脂は、皮脂分泌を過剰にする原因となります。肉類や揚げ物、ファストフードなど、脂質の多いものを中心とした食生活は避けましょう

くわえて、糖質や脂質は中性脂肪を高める原因にもなります。中性脂肪は皮脂の原料になるため、食生活を見直して皮脂量をコントロールする栄養素を摂取することが大切です。

脂性肌改善に効果的なビタミンを含む食品を取り入れる


ビタミンを含む食品をとることが効果的であるため、普段の食事に取り入れていきましょう。

脂性肌改善に有効な栄養素と効果、よく含まれる食品は以下のとおりです。どうしても不足しがちな栄養素はサプリメントで補うことも可能です。しかし、基本的には食事から摂ることを意識し、効果的なビタミンを中心に、栄養バランスのとれた食事をとりましょう。

ビタミン効果よく含まれる食品
ビタミンB1皮脂の分泌をコントロールする豚肉、豆類、ナッツ類、玄米、うなぎなど
ビタミンB2皮膚細胞を再生し、粘膜を保護するレバー・卵・納豆・豚肉・乳製品など
ビタミンB6肌のバリア機能を高め、肌の炎症を予防するマグロ・サンマ・カツオ・レバー・にんにくなど
ビタミンA肌のターンオーバーを促進し、肌のハリを維持する緑黄色野菜・レバー・バター・卵・うなぎなど
ビタミンC抗酸化作用やコラーゲンを生成するいちご・みかん・芋類・ピーマンなど


喫煙や飲酒を控える


喫煙によるビタミンCの消費や、アルコールによる皮脂分泌を抑えることが、脂性肌改善には必要です。

喫煙はビタミンCの代謝が早まるため大量に消費してしまいます。ビタミンCが不足すると脂性肌改善を妨げるだけでなく、肌のハリが失われるほか、色素沈着によってシミができる恐れもあります。

くわえて、タバコの煙が広がって顔につくことも悪影響です。肌は煙を害であると認識し、皮膚を守るために皮脂分泌を促すため、脂性肌が悪化する原因となります。

また、過度の飲酒にも注意しなければなりません。ビールやカクテルといった糖分を多く含むお酒は、皮脂の過剰分泌を促進します。さらに、アルコールによって毛細血管が拡張して皮脂腺が刺激されると、より皮脂分泌は活発化します。

十分な睡眠をとる


皮脂分泌をコントロールするためには、疲れをとってホルモンの動きを正常化させることが大切です。

睡眠不足や疲れ、ストレスはホルモンバランスが崩れる原因となります。ホルモンバランスの乱れは皮脂の過剰分泌に影響するため、十分な睡眠をとって身体の状態を整えることが必要です。

良質な睡眠をとるためには、お風呂の温度をいつもよりぬるくしてゆっくりと浸かる、寝る前にストレッチをして身体をほぐすなどが有効です。また、寝る前にスマートフォンやパソコンを見ていると、ブルーライトが交感神経を刺激するため、睡眠導入の妨げになります。

副交感神経の働きを優位にし、質の良い睡眠をとるよう工夫しましょう。

正しいスキンケアで脂性肌を改善しよう

脂性肌は水分・油分ともに多い状態で、過剰に皮脂が分泌されていてテカリや吹き出物といったトラブルが目立つ肌質です。

脂性肌の人は、油分が多い化粧品を使わないようにしながらも、過度の刺激や乾燥には注意しなければなりません。乾燥による皮脂の過剰分泌を防ぐためにも、摩擦や化粧品の配合成分に注意しながらスキンケアをすることがポイントです。

また、脂性肌の原因はスキンケアだけでなく私生活に隠れていることもあります。食事や生活習慣を見直し、総合的に脂性肌の改善に取り組みましょう。