リップバームとは?効果や正しい使い方も解説

リップバームとは、唇の保湿・保護のために使用できるアイテムです。リップクリームよりも油分が多く、こっくりとしたテクスチャで、唇を荒れや乾燥から守ってくれます。また、リップバームは唇のケアだけでなく、グロスやリップメイクの下地としても使用できるのが特徴です。

本記事では、リップバームの種類や効果、おすすめの使い方などを紹介します。リップバームをどのように選ぶべきか悩んでいる方や唇を正しくケアしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること
・リップバームの効果
・リップバームの種類と特徴
・効果的なリップバームの使い方



リップバームとは?

リップバームとは、乾燥や荒れから唇を守るために塗る軟膏を意味します。唇は皮膚が薄く、乾燥や紫外線などの外的刺激を受けやすい部分です。リップバームで保湿や保護を行うことにより、唇の乾燥や荒れを予防するのに役立ちます。

一般的にリップバームは、リップクリームよりも油分が高く、こっくりとしたテクスチャで保湿力が高いことが特徴です。その効果や役割を知り、上手に活用しましょう。

リップバームの効果・役割


リップバームの主な役割は、唇の保湿と保護です。

リップバームに含まれる保湿成分(シアバターやヒアルロン酸など)と保護成分(ワセリンなど)が唇に潤いを与え、外的刺激からデリケートな唇を守ります。使用することで唇の皮むけやカサつきを防ぎ、乾燥の気になりにくい柔らかな唇へ導いてくれるでしょう。

また、普段からリップバームでケアをしていると、唇の表面のカサつきを抑えられるため、リップメイクが乗りやすくなります。

リップクリームとの違い


リップバームリップクリーム
テクスチャ(使い心地)こっくりした使用感さらっとした使用感
形状チューブやジャータイプが多いスティックタイプが多い
保湿力高いリップバームと比べると劣る


リップバームとリップクリームは、どちらも唇の乾燥や荒れを防ぐためのものです。

両者の違いに明確な線引きはありませんが、一般的にリップバームは油分が多くこっくりとした質感で、保湿力の高いアイテムとなっています。ジャータイプの容器に入った製品が多いことも、リップバームの特徴の一つといえるでしょう。加えて、リップバームは保湿力が高い傾向にあることから、夜のケアで使用するのに最適です。

対するリップクリームは、さらっとしていて上からリップメイクを重ねても響きにくく、塗り直しがしやすいことから日中の使用に適しています。

リップバームの種類

リップバームとひと口にいっても、形状やテクスチャなどによって種類はさまざまです。選び方に迷ったときには、使用シーンに合わせてジャータイプ・スティックタイプ・チューブタイプの3種類のなかから選択してみましょう。

形状・テクスチャ


特徴おすすめのシーン
ジャータイプ・保湿力が高く、唇の荒れをケアする効果が高い傾向にある
・持ち運びには不便
就寝前、乾燥がひどいとき
スティックタイプ・持ち運びがしやすい
・手を汚さず簡単に塗れる
外出中、メイク直しのとき
チューブタイプ・柔らかいテクスチャで、グロスとしても使える
・衛生的に使い続けやすい
リップメイクでツヤを出したいとき


リップバームはジャータイプが一般的ですが、ほかにも持ち運びがしやすいスティックタイプ、チューブタイプの製品などがあります。それぞれに保湿力の高さや使いやすさなどに違いがあるため、好みに合わせて選んでみてください。

ここからは、リップバームの種類ごとの特徴やおすすめの利用シーンを詳しく紹介します。

ジャータイプ

リップバームは保湿力が高いオイルで作られており、唇の荒れをケアする際や乾燥対策として使用できます。なかでもジャータイプは保湿力に優れている傾向にあり、清潔な指や綿棒、スパチュラなどですくって使うタイプのアイテムです。指で唇に直接塗り広げることから、ムラにならずに気になる縦ジワへしっかり塗り込めます。

ただし、持ち運びがしにくく使用の際に手が汚れるため、外出中の塗り直しには少し不便かもしれません。どちらかというと自宅での使用に適しており、就寝前や乾燥がひどいときなど、しっかりと唇をケアしたいタイミングに活用するのがおすすめです。

また、空気に触れる部分が多く酸化しやすいため、使用後はすぐにフタを閉めるようにしましょう。

スティックタイプ

スティックタイプのリップバームは持ち運びがしやすく、口紅と同じような使い方ができるため、外出中のケアやメイク直しの際に重宝します。唇に直接塗ってケアができ、手が汚れません。

バームを少し繰り出した状態で、体温で溶かしながら優しく伸ばしていきましょう。ゴシゴシと強くこするようにして塗ると、唇にダメージを与えてしまい、皮むけや荒れといったトラブルを起こす可能性があります。

チューブタイプ

チューブタイプのリップバームは、テクスチャが柔らかく、摩擦を与えずに優しく唇をケアできるのが特徴です。チューブ先端の穴から柔らかいバームを適量押し出して、唇に伸ばしましょう。

指に取って塗る方法もありますが、チューブから直接塗っても先端をティッシュですぐに拭き取ることで清潔さを保てます。また、みずみずしいテクスチャで密着力も高いため、リップメイクの際にグロスのように使うことも可能です。

機能性


リップバームには無色のものだけでなく、色がついていてメイクアップアイテムとしても使えるものや、UVカット機能が備わっているものなどもあります。製品によっては良い香りがついており、好みのアロマに癒されながらリップケアができるでしょう。

色付き

ピンクや赤などの色がついたリップバームは、使うことでリップケアができるだけでなく、唇をナチュラルに色付けてくれます。優しい発色のアイテムが多いため、軽めのメイクをする際にぴったりです。

また、色付きのリップバームは、唇が荒れていて口紅が塗れないときにも役立ちます。皮むけなどのトラブルをケアしながら同時にリップメイクを楽しめるため、唇が弱い方にも心強い味方となるでしょう。

UVカット機能


リップバームのなかには、「PA」や「SPF」などと記載されていてUVカット効果が期待できる製品もあります。PAは、肌の弾力に影響を与えるUVーA波を防ぐ効果を表し、「+」が多いほど紫外線の防御力が高いということです。SPFは、数値が大きいほどUVーB波のカット力が高く、炎症を長時間防げるかを示しています。

PAやSPFの値が大きいほど紫外線はカットできますが、唇に負担をかける可能性もあり、人によっては刺激を感じるかもしれません。PAやSPFの値だけを重要視するのではなく、唇の状態を確認しながら使用するようにしましょう。

香り付き

フルーツ系やアロマ系など、香りが楽しめるリップバームを選ぶのも一つの選択肢です。季節限定の香りや自然由来の精油から抽出したものまで、さまざまな種類があります。リップバームは1日に数回ほど使用できるため、心地良く使うためにも、お気に入りの香りを選んでみてください。

なお、香り付きだけでなくもちろん無香料タイプのリップバームもあります。香りのあるアイテムが苦手という方は、無香料タイプが使いやすいでしょう。

成分・効果


リップバームは、化粧品という分類で販売されているもののほかに、薬用と医薬品の2種類があります。薬用と医薬品ではそれぞれ用途が異なるため、症状や目的に合わせて自分に適したほうを購入しましょう。

薬用タイプ

薬用のリップバームは、唇の健康を保ちトラブルを予防する効果が期待できます。薬用は「医薬部外品」ともいわれ、厚生労働省が許可した有効成分が一定の濃度で配合されているものです。治療ではなく、防止や衛生が目的で作られています。

薬用リップバームには、アラントインをはじめとした荒れ防止成分が配合されており、唇のひび割れや皮むけを防ぐのに有効です。

医薬品タイプ

医薬品のリップバームは、唇の荒れを治すことが目的で作られているアイテムです。医薬部外品は防止を目的としているのに対し、医薬品は治療が目的のため、より高い効果が期待できます。なお、医薬品は薬局やドラッグストアでしか購入できない点に注意しましょう。

薬用との違いをふまえて、唇の荒れがひどい場合は、医薬品のリップバームを検討してみてください。唇のトラブル予防として使いたいときには、薬用のもので良いでしょう。

基本的なリップバームの使い方・手順

リップバームの持つ効果を十分得るためには、正しい使い方をすることが大切です。ここでは、一般的なジャータイプのリップバームの使い方をわかりやすく解説します。

  1. 1.唇の汚れを拭き取る
  2. 2.手を洗うなど清潔な状態にする
  3. 3.リップバームを温める
  4. 4.唇のシワに合わせて縦に塗る
  5. 5.唇を閉じてなじませる

ステップごとのポイントを詳しく確認してみましょう。

1.唇の汚れを拭き取る


ティッシュやコットンで唇の汚れを優しく拭き取り、清潔な状態にしておきましょう。唇に汚れが残っていると、リップバームがなじみにくくなり、思うような効果を得られない可能性があります。食べ物の汚れやほこりなどを取り、きれいな状態にしておくことがポイントです。

摩擦に注意し、優しく拭き取ります。この際、アルコール成分が含まれたおしぼりなどを使うと、唇に刺激を与えてしまうため注意しましょう。

2.手を洗うなど清潔な状態にする


不衛生な手でリップバームを触ってしまわないよう、先に手を洗うなどして清潔にしておきます。リップバームはジャータイプのアイテムが一般的です。汚れた手でジャーから取り出していると、中身に雑菌が繁殖し、かえって唇のトラブルを招きかねません。

衛生的に問題ない状態で使用し続けるために、爪の先まできちんと清潔な状態でリップバームを扱うように心がけてみてください。

3.リップバームを温める


リップバームは冷えていると固まってしまうため、使用の前に手の体温で温めましょう。固まっているまま塗った場合、摩擦の原因になり唇に負担をかけてしまいます。

指先や手の甲に乗せて体温で温めるほか、リップバームの本体ごと両手で挟んだりポケットに入れたりして、テクスチャを柔らかくしてから塗り広げるのがコツです。

4.唇のシワに合わせて縦に塗る


リップバームは、唇の縦ジワに沿って塗るようにしましょう。横に塗り広げるほうが楽かもしれませんが、縦ジワに沿って塗ることによって保湿成分が細部にまで届き、潤いがアップしやすくなります。

塗る際は、摩擦が起こらないように優しく伸ばすのがポイントです。刺激を極力抑えるには、力が入りにくい薬指を使って塗る方法を試してみてください。

口角周りは皮膚が薄いために乾燥しやすく、口を開けたひょうしに割れると出血や痛みを伴います。唇とあわせて口角までリップバームをしっかり塗って、保湿しましょう。

5.唇を閉じてなじませる


リップバームを全体に塗ったら、唇を閉じてなじませます。上下の唇を軽く合わせることで、リップバームをよりムラなく塗り広げられるでしょう。強く唇を閉じてこすり合わせると摩擦が刺激になってしまうため、あくまでも優しく行うことが重要です。

リップバームはいつ塗る?塗る頻度・タイミング

リップバームの使用回数は1日5回を目安にして、唇が乾燥しているときに塗りましょう。冬場やエアコンの効いた場所は乾燥しやすいため、唇がカサついてしまう前に塗り直すようにします。

ただし、何度も繰り返しリップバームを塗ることが必ずしも唇に良いというわけではありません。医薬品のなかには治療を目的としたステロイド成分を含んだ製品もあり、正しい使い方をしなければ逆効果となる可能性もあります。

トラブルの引き金となりうる摩擦を避けるためにも、塗る回数は1日5回までに留めておきましょう。タイミングとしては、朝食後、昼食後、日中、寝る前でおおよそ5回が目安です。

リップバームのおすすめの使い方

リップバームは唇の保湿を目的として使う以外にも、リップメイクの下地やグロスの代わりとして使うこともできます。特に乾燥が気になるときには、唇のスペシャルケアとしてリップバームを活用してみましょう。

リップメイクの下地に使う

リップバームをリップメイクの下地に使うことで、唇を保護するとともに、口紅の色持ちをアップさせるのにも役立ちます。唇の乾燥は、リップメイクのあとに縦ジワが目立ったり荒れたりしてしまう原因の一つです。

リップバームを口紅の下地として使うことで、唇がしっかりと保湿された状態になります。これにより口紅のフィット感を高められ、発色や色持ちを良くする効果が期待できるでしょう。

また、リップバームがクッションとなり、メイクアップアイテムを乗せたときに唇へかかる負担が軽減される点もメリットです。

グロスとして使う

グロスの代わりにリップバームを使うことで、唇の乾燥を防ぐと同時に、ふっくらとした印象に仕上げることが可能です。リップバームはオイルベースのものが多いため、口紅の上から重ねると、ナチュラルなツヤ感を出せます。

また、唇をコーティングしてくれるため、色落ちを防げることもリップバームを使うメリットです。リップメイクがヨレないよう、優しくポンポンと重ねるようにしましょう。

リップマッサージとして使う

唇のくすみが気になるときには、スペシャルケアとしてリップバームを使ったマッサージを取り入れてみてください。リップマッサージをすることで血行が促進されると、唇の色が良くなる効果が期待でき、くすみ改善につながります。

リップバームを使ったマッサージの手順は、以下のとおりです。

  1. 1.唇にリップバームをたっぷりと乗せる
  2. 2.唇の輪郭をなぞるようにリップバームを伸ばす
  3. 3.指で円を描くように、中心部分から口角に向かって全体をマッサージする
  4. 4.1~3の手順を10回程度繰り返す

マッサージをするときは、摩擦を最小限にするためにも指に力を入れず行いましょう。

リップパックとして使う

リップバームは保湿力が高いため、就寝前のリップパックとして使用することも可能です。

  1. 1.唇にたっぷりとリップバームを塗る
  2. 2.唇を覆うサイズにカットしたラップを乗せて、5分程度放置す
  3. 3.ラップを外してバームをなじませ、べたつきが気になれば軽くティッシュオフする

リップパックをするタイミングは、入浴中やお風呂上がりの体が温まっているときがおすすめです。水分に触れたあとの唇は乾燥しやすいため、お風呂上がりに行う場合には化粧水や乳液などのスキンケアを済ませたあと、その流れで唇のパックをしましょう。

リップバームとは?まとめ

リップバームは唇の保護・保湿を目的とした軟膏で、ジャータイプをはじめとしてスティックタイプ、チューブタイプなどの種類があります。色がついていてリップメイクにも使えるものや、UVカット効果、香りがあるものなど、製品によってさまざまな機能を持っているため、好みのものをチョイスしてみましょう。

リップバームの保湿力を活かし、普段のケアだけでなくスペシャルケアに用いることも可能です。また、1日5回程度という使用回数のなかであれば、グロスやリップメイクの下地としても活用できます。

いずれの使い方をする場合でも「唇に刺激を与えないよう優しく伸ばす」ことを念頭に置いて、リップバームを上手に使いこなしてみてはいかがでしょうか。