あけましておめでとうございます。
ドイツでは元旦だけが祭日です。正月2日、3日は休日ではありませんが、6日が祭日ですので、連休をとる人が結構多いです。1月6日はキリスト教では「主顕日」とされ、一般には「三聖王」の祝日として親しまれています。嬰児キリストを拝むべく、東方(中近東を指します)から参じた三人の賢者を祝う日で、広く親しまれている祝日ですので少し説明いたします。
で、この三賢人ですが、彼らにまつわる正確な記述はありません。そもそも三人というのもあやふやで、単に「複数」というだけだったのです。確かなのはこの三人が賢人でこそあれ聖人ではなかったということだけで、これも異国からやってきた賢人というのは異教徒であり、異教徒は聖人に非ずという考え方に成り立つだけです。もうひとつ確かなのは「金、乳香、没薬」という賢者の持参した捧げものです。これらは古代における「太陽神への聖なる捧げもの」といわれるもので、金は王、乳香は神、没薬は救世主のシンボルとされています。
三賢人が王と記されるようになるのは一説によると6世紀に入ってからのことで、名前(カスパー、メルチオール、バルタザール)が見られるようになるのは9世紀から。以後、三賢王は三つの人種(コーカソイド、モンゴロイド、ネグロイド)、三つの大陸(当時、世界はヨーロッパ、アジア、アフリカの三つの大陸から成ると考えられていました)、三つの人生の節目(青年、壮年、老年)の象徴とされるようになります。聖人となるのは12世紀に彼らの聖遺物がミラノからケルンに移されてからのことのようで、これ以降ドイツではこの祭日が大きな意義をもつようになります。三つの捧げもの、三つの人種、三つの大陸、三つの節目といったことから「複数」だった賢人の数が三人に定着し、現在のドイツで普通に用いられる1月6日の祭日の名称「三聖王の祝日」の由来となったわけです。
毎年、「三聖王の祝日」が近づくと、小学校高学年から中学生ぐらいまでの男の子三人が派手なガウンをまとい、王冠をかぶって三聖王に扮し(うち一人はアフリカの王ということで顔を黒く塗っています)、先端に星をつけた棒を担ぐ人とお布施を入れる箱を持つ人を従えて、各家庭を回って三聖王の歌を歌い、お布施を出すと、キリストの加護があるように祝福を与えて玄関の扉の上に、チョークで今年でしたら『20+C+M+B+12』と記してくれます。C+M+Bですが、Cはキリスト、Mはこの家、Bは祝福という言葉のラテン語の頭文字とも、三聖王の名前(カスパー、メルチオール、バルタザール)のイニシャルともいわれます。年の初めの風物詩ともいえる行事で微笑ましいです。家内の甥っ子が今年、三聖王の一人に扮する予定らしく、小生にとてもなついている子なので見に行こうかなと考えています。ご参考までに昨年、拙宅の玄関の扉に記された祝福を添付しました。 皆様にとって本年がよい一年であることを願っております。








