Anthroposophy
アントロポゾフィー
<人智学>
アントロポゾフィー(人智学)は、哲学者で自然科学者のルドルフ・シュタイナーらが考えを共にする同志らと協力して確立されました。この研究方法は教育、建築、芸術、医療などの分野にまで幅広く影響をもたらしました。現在も、ヴェレダの行動のいたるところに人智学の影響は息づいています。

アントロポゾフィーは、ヨーロッパを発祥に世界的に広がった、科学によって精神性を探求していく研究方法です。人間存在の法則をよりよく理解し、それに応じて行動するための道筋を提示してくれる思想です。アントロポゾフィーの生みの親は、オーストリア人の自然主義者・科学者・哲学者であるルドルフ・シュタイナー(1861-1925)で、非常に研究熱心な人物として知られ、科学・自然法・哲学的思考など多くの分野に精通する偉大な博学者でした。
科学的思考から精神的体験まで
当時の知識人や大学を中心とした団体の考察とは対照的に、シュタイナーは科学的・神秘体験を通じて精神世界を研究するという意味でアントロポゾフィー(=「人間の叡智」という意味)という単語を用いましたが、シュタイナーはこの研究に力を注ぎました。アントロポゾフィーは精密な科学的考察を出発点としています。それまで物質世界に制限されていた精緻な科学的研究方法を、精神世界の研究へと応用してみせたのです。
アントロポゾフィーは次のように説明することができます。「人間とは感覚や心の動きから外界の印象を感知する――この知見が人類学。この方法論を精神的レベルにまで応用したものがアントロポゾフィーで、感情や思考からも外的環境を認知できると考える」と。シュタイナーは、ギリシャ語で人間を意味するanthroposと、叡智を意味するsophiaを合わせて、「アントロポゾフィー」と名付けました。

シュタイナーは1923年にアントロポゾフィー協会を創設しました。文化的・知的に自由な人生の維持を使命として、精神領域にまで研究を広げることを目指したのです。精神研究を行うために、School of Spiritual Science(精神科学自由大学)がドルナッハに設立されましたが、これは現在のヴェレダ本社が位置するアーレスハイムからほんの数キロという立地にあり、この学校があるゲーテアヌムは建築学的に注目される建造物として知られています。ゲーテアヌムはアントロポゾフィーの中枢として位置づけられ、1500人収容の2つの劇場やギャラリー、講義室、図書館、書店、アントロポゾフィー協会本部などがありますが、これらのデザインはルドルフ・シュタイナー自身が手がけました。今も年に数回、一般的な関心を集めるテーマで会合が行われています。
ヴェレダにおけるアントロポゾフィー(人智学)の影響
アントロポゾフィーの最終目標は、全人類の成長です。現在、アントロポゾフィーは教育、建築、芸術、医療、農業などあらゆる領域へと派生しています。シュタイナーの誘導によって、シュタイナー学校が設立されたほか、人智学医療、ボディケアなどの自然化粧品、バイオダイナミック農業なども誕生しています。こうした学識はすべて、今もヴェレダにとって不可欠な存在です。
医薬品や自然化粧品の製造過程においても、パートナー・サプライヤー・従業員との関わり方においても、人間・社会・自然は日々の活動と自然との関係でつながり合うホリスティックな存在であると、ヴェレダでは考えています。