少し前に当地のテレビのクイズ番組で、ambiguos Zylinder (英語=ambiguous cylinder)なるものが紹介されていました。ambiguosという単語は初耳で、どう訳せばいいのか戸惑いましたがクイズの実演をみて「二つの違った形に見えるパイプ」という意味合いだと理解しました。テレビで紹介されたのは、ほんの数分で、四角いパイプがつながっているような物体が鏡の中では四角ではなく丸いパイプに映っており、目の錯覚による不思議な現象ということがポイントで、「ほほう・・・」と思わず声をあげました。小生はこういった類のものに少なからぬ興味がありまして、解説で「二通りに見えるパイプ」は日本の数学者、スギハラ・コウキチ氏が創作したものであると聞き取ることができましたので、さっそくネットで調べてみました。
するとスギハラ・コウキチ氏というのは杉原厚吉氏のことで、彼が監修した、「親子で楽しく体験できる驚きの錯覚、不可能立体の世界~ふしぎ立体セット」というのが見つかり、即発注して日本から取り寄せました。
わずか一週間で手元に届いたセットに入っていたのは4つの立体と3つのペーパークラフトおよび小冊子の解説書です。まずは解説書から読み始めたのですが、小学生用に書かれたようで全ての漢字にルビが振られています。当地のテレビではごく簡単にambiguos Zylinderとだけ紹介されていましたが、解説書では不可能立体として紹介され、錯覚が生じる理由も簡潔に説明されているのですが、これがどう考えても小学生に理解できるようなものではない(と思える)のです。
で、テレビで見たようなパイプではありませんが、四角の格子状のつながった枠がセットに入っていましたので①斜め上およそ45度の角度から②立体を半回転して再び斜め上45度の角度から見てみました。①では四角、②では円形に見えます。③四角と円形を同時に見ようとするなら、物体を鏡の前に置けばいいわけです。鏡の前は四角、鏡の中のは円形に見えます。そして面白いのは①の格子の影が円形で②の円形の影が格子です。
次に、同じくセットに入っていた「矢印形」で同じことをくりかえしますと、①と②が全く同じでいづれも右方向なのですが③の鏡像は見事に左向きになっています。「格子」の縁が曲線になっていることや、「矢印」の表面が平面ではなく八面になっていることがその原因でしょう。いづれにせよ楽しい不思議であることは確かです。
ペーパークラフトは、はさみとノリで楽しい不思議を自分で作ってみようという趣向のようで、次回9才の孫が拙宅に遊びに来た時に一緒に試してみようと考えています。
立体セットの箱には『錯覚の世界大会第12回ベスト錯覚コンテスト準優勝』とあります。さもありなんという気がします。これらの立体を創作された杉原教授に心から敬意を表したいと思います。









