乳液の効果と役割とは?目的と成分ごとの効果を解説

乳液はスキンケアにおいて、水分や油分を閉じ込めて保湿する重要な役割を担うアイテムです。しかし、実際に必要性があるのかわからず使用していない、どのような効果が見込めるのかわからないまま使っているといった人もいるのではないでしょうか。

乳液の効果と重要性を知って適切に使用することは自分にあったスキンケアにつながります。乳液が必要な理由を知って正しい方法で使わなければ、どんなに良い洗顔料や化粧水を使ってもその効果をうまく引き出せないでしょう。

ここでは、なんのために乳液を使うのか、その効果や役割について詳しくご説明します。

この記事でわかること
・乳液の効果と役割
・乳液に含まれる成分とその効果
・乳液の効果的な使い方、美容液との違い

乳液の効果と役割

乳液には乾燥を防ぐ、角質を柔らかくするなどの役割があり、有効に使うためにはそれを理解しておくことが重要です。乳液の基本的な効果と役割を4点紹介します。


肌の水分蒸発を抑え乾燥を防ぐ

乳液の役割の一つは化粧水で補給した水分の蒸発を抑え、肌のうるおいを保つことです。

一般的なスキンケアでは乳液の前に化粧水をつけ、肌に水分を与えます。しかし、化粧水をつけただけでは時間がたつと水分が蒸発してしまうため、十分な保湿効果を得られません。そのため、乳液を使って水分が肌から逃げないようにします。

乳液は油分で肌の表面に膜をつくる作用があるため、水分を保持してうるおいを守ります。

角質を柔らかくする


乳液は適度な油分を含んでいるため、角質の柔軟作用を高められるアイテムです。

肌の細胞が生まれ変わるターンオーバーの周期が遅くなると、古い角質が肌に残って厚くなり、水分が浸透しにくい状態になります。

乳液に配合されている油分は、ターンオーバーの乱れで硬くなってしまった角質を柔らかくする役割があります。そのため肌をなめらかに整える効果も見込めるでしょう。

肌に必要な油分を与えてくれる


肌には水分や美容成分だけでなく、適度な油分を与えることも大切です。油分が不足してしまうと、肌はごわついた状態になります。乳液で油分を与えると、肌がふっくらと柔らかくなります。

乳液には肌に必要な油分を補給できる役割があるため、肌をふっくらとさせてハリや弾力をキープできるでしょう。

次に使うアイテムのなじみを良くする


乳液によって肌が柔らかくなると、そのあとに使うアイテムの浸透力もアップします。とくに、洗顔のあとすぐに使用する先行乳液で期待できる作用です。

乳液で肌の状態を整えると肌の柔軟性がキープされます。それにより、次に使用するスキンケアアイテムがよくなじむようになります。

乳液に含まれる主な成分と効果

成分効果
セラミド・肌のバリア機能を保つ働きがある成分
・肌に潤いを与えキメを整える
グリセリン・高い吸湿力を持つ保湿成分
・乾燥肌にはとくに重要
アミノ酸など天然保湿因子・保湿力を高めて外部の刺激から肌を守る成分
ヒアルロン酸・高い保水力を持つ成分
・肌を柔らかくしてなめらかに整える
コラーゲン・保湿に優れた成分
・ハリを与えてエイジングケアを見込める
植物性オイル・栄養素が多く含まれる天然オイル
・肌なじみがよく若々しい肌に保つ

乳液にはさまざまな種類があり、成分によって効果にも違いが生じます。それぞれを理解して自分の肌悩みにあったものを選ぶことが重要です。そこで、乳液に含まれる主な成分と効果についてチェックしていきましょう。

セラミド


セラミドは肌のバリア機能を維持し、うるおいを保つ働きがある成分です。

セラミドはもともと肌に存在する成分で、角質層の細胞と細胞をつなぐ役割があります。水分の蒸発を防ぎ、肌のバリア機能をサポートすることが特徴です。

バリア機能が正常に保たれていると乾燥しにくい状態となり、外部刺激にも影響されにくくなります。しかし、セラミドが少ないとバリア機能が低下し、肌トラブルを引き起こす可能性も少なくありません。

乳液を使用するとセラミドが補給でき、乾燥も防げるため肌のキメも整いやすくなるでしょう。

グリセリン


グリセリンはアルコールの一種で、高い吸湿力を持ち、肌のうるおいを保つ保湿成分です。

グリセリンはセラミドと同じく水となじみやすい性質があり、水分と吸着する働きが強くなっています。そのため、肌の水分を逃さないようにし、しっとりとうるおいをキープできます。

保湿効果が高いため、乾燥肌の人にはとくに効果的でしょう。

アミノ酸などの天然保湿因子


天然保湿因子のNMFであるアミノ酸は肌の保湿力を高めて外部の刺激から守る働きがあります。

肌はもともと天然保湿因子であるNMFといううるおい成分を持っており、主成分はアミノ酸です。NMFは水分を取り込んで抱え込む働きがあり、外部刺激から肌を守る役割があります。つまり、NMFが十分にあれば、肌のうるおいはキープできるでしょう。

反対に、NMFが減少すると肌に水分を保つことができません。保湿成分を補給するために、天然保湿因子が含まれる乳液を使うことが有効です。

ヒアルロン酸


ヒアルロン酸は高い保水力を持ち、肌を柔らかくする成分です。

ヒアルロン酸は保湿成分の代表的なもので、もともと身体の真皮に含まれています。水分を保持する作用があり、肌のハリや弾力アップのサポートをしてくれることが特徴です。

ヒアルロン酸が配合された乳液を使用すると、弾力がありしっとりとなめらかな肌を目指せるでしょう。

コラーゲン


コラーゲンは優れた保湿作用で肌のハリを保てるため、年齢が気になってきた場合にも有効です。

真皮の約70%は、たんぱく質であるコラーゲンで構成されています。肌のハリや弾力を生み出し、みずみずしく健康的な肌をつくることが主な作用です。しかし、加齢とともに減少していく傾向にあり、シワやたるみなどを引き起こす原因となりやすいです。

乳液でコラーゲンを補給すると、うるおいにより肌のハリをキープできるため、とくにエイジングケアを考えている人に向いています。

植物性オイル


植物性オイルは肌ともなじみやすく、若々しい状態を保つのに必要な栄養素を多く含む成分です。

一般的にスキンケアアイテムで使用されている鉱物油や合成油剤と比較して、植物性オイルは肌との親和性が高く、なじみやすいことが特徴です。

また、ミネラルのほか、抗酸化成分であるビタミンEや美白成分のリノール酸・リノレン酸などがたっぷりと含まれています。そのため、こういった成分が若々しい肌印象をつくってくれることがポイントです。

植物性オイルの例
アルガンオイルやシアバター、ホホバオイルなどが代表的な植物性オイルです。

乳液の効果に関するよくある疑問

乳液を効果的に使いたくても、付け方やほかのスキンケアアイテムとの違いがわからないといった人もいるでしょう。そこで、乳液の効果に関するよくある疑問にお答えします。効果について理解し、正しく使用するための参考にしてください。

乳液の効果を高める使い方のポイントは?


乳液の効果を高めるポイントは主に以下の3つです。

  • 手のひらで乳液を温める
  • 乾燥が気になる部分には重ねづけする
  • 使用量は適量を守る


乳液には油分が含まれているため、温めることで浸透力がアップします。手に出していきなりつけるのではなく、手のひらで人肌適度まで温めてから使用しましょう。

また、乾燥が気になる頬や目元・口元は重ねづけしましょう。顔の部位によって皮脂が出やすい部分や乾燥しやすい箇所が異なります。とくに乾燥しやすい部位には重ねづけをするとより効果が期待できます

また、使用量を守ることも重要です。少なすぎても多すぎても十分な効果を得ることはできないため、メーカーが推奨している量を確認して使用しましょう。

乳液と美容液の効果の違いは?


美容液は特定の肌悩みに特化したアイテムである点が乳液との違いです。

美容液にはたるみやシワ、シミなどの肌トラブルに働きかける成分が配合されています。肌悩みにアプローチして改善をめざすものが美容液です。

それに対して乳液は、水分の蒸発を防いでうるおいを保つアイテムとなっています。適度な油分を与えて肌を柔軟にするとともに、水分の蒸発を防いでうるおいを保つことが役割です。

美容液は特定の有効成分を届けるもの、乳液は肌を柔らかくしてうるおいをとどめるものと理解しておきましょう。

乳液の効果まとめ

乳液には、水分の蒸発を防ぎながら必要な油分を補給する役割があります。また、角質や肌を柔らかくするため、次に使用するアイテムのなじみも良くなります。

乳液はそれぞれ配合されている成分が異なるため、目指したい肌の状態に合わせて選びましょう。例えば、セラミドはキメを整える効果があるのに対して、コラーゲンはハリをキープして若々しい印象をつくります。

乳液の必要性や効果を正しく理解し、自分にあった最適なアイテムでスキンケアをしましょう。