化粧水で肌がヒリヒリするのはなぜ?理由とスキンケアのポイントを解説
化粧水で肌がヒリヒリ、ピリピリするとき、成分が効いている証拠だと考えて我慢してしまう方もいるでしょう。しかし、刺激を感じるのは肌がダメージを受けているためです。そのまま使用を続けていると、思わぬ肌トラブルを招いてしまうかもしれません。
この記事では、化粧水をつけたときにヒリヒリする原因や対処法を解説します。化粧水が肌に合わずスキンケア方法に悩んでいる方は、参考にしてみてください。
・化粧水で肌がヒリヒリする原因
・化粧水がしみるときの対処法
・肌が弱っているときに見直したいスキンケアと日常生活のポイント
目次
- 1-1.
- バリア機能の低下
- 1-2.
- 加齢による肌の菲薄化(ひはくか)
- 1-3.
- 化粧水の成分による刺激
- 1-5.
- 紫外線や日焼けによる炎症
- 1-6.
- 空気の乾燥
- 1-7.
- マスクやコットンなどの摩擦
- 3-1.
- ストレスを溜めない
- 3-2.
- バランスの良い食事を心がける
- 3-3.
- 十分な睡眠をとる
- 3-4.
- アルコールや喫煙を控える
- 3-5.
- スキンケア方法を見直す
- 4-2.
- 摩擦が起きないよう優しくケアする
- 4-3.
- 洗いすぎない
化粧水をつけると肌がヒリヒリ痛いのはなぜ?
化粧水で肌がヒリヒリ、ピリピリするのは、肌の抵抗力が弱まっていてダメージを受けている、あるいは化粧水の成分が刺激となっていることなどが原因です。化粧水の成分が肌に浸透して効いているわけではありません。
化粧水によって肌がヒリヒリするときの主な原因を紹介します。
バリア機能の低下
化粧水をつけてヒリヒリとする場合、肌のバリア機能が低下している恐れがあります。バリア機能とは、肌内部のうるおいを保ち、乾燥やアレルゲン、紫外線といった外部刺激から肌を守るための機能のことです。
健康的な肌は水分と油分のバランスを保った状態ですが、なんらかの原因によってこのバリア機能が乱れると、少しの刺激にも敏感になり炎症を起こしてしまいます。普段なら問題なく使えていた化粧水でも、バリア機能が低下した肌に使用するとヒリヒリと反応してしまう場合があるでしょう。
加齢による肌の菲薄化(ひはくか)
加齢や摩擦によるダメージなどで角層の表皮や真皮が薄くなると、肌は刺激に対して敏感になります。これを肌の菲薄化といい、表皮や真皮の厚みが薄くなっている状態です。
加齢により菲薄化が進むと、バリア機能が低下して刺激を受けやすくなります。これにより化粧水の成分が刺激となって、肌がひりつきを感じているのかもしれません。
また、加齢だけでなく、肌をごしごしと強くこする摩擦によっても肌の菲薄化は進むため、注意が必要です。肌への刺激によってターンオーバーのサイクルが乱れ、未成熟な細胞が表面に現れることで、角層が薄くなっていきます。
菲薄化を予防するためにも、洗顔やクレンジング、ピーリングなどで肌に過度な刺激を与えないようにしましょう。
化粧水の成分による刺激
化粧水には、さまざまな美容成分が含まれていますが、なかには肌に刺激を与える可能性のある成分もあります。肌を刺激する成分として主に挙げられるものは、以下のとおりです。
肌のバリア機能が低下し刺激に対して敏感になっていると、上記のような成分が入った化粧水にひりつきを感じる場合があります。肌がピリピリとしたときは、化粧水の成分表示に刺激となりうる成分が入っていないかチェックしてみましょう。
花粉・ハウスダストによるアレルギー反応
バリア機能が低下した肌は、花粉やハウスダストに触れたことが引き金となり、アレルギー反応を起こしかねません。人によってはアレルギー性皮膚炎などを起こしてしまい、化粧水が肌にしみている可能性があります。
日中はマスクやメガネを着用して花粉が付着しないようガードするとともに、帰宅したらなるべく早く洗顔・シャワーを浴びるなどして花粉を洗い流しましょう。また、花粉のほかにも、ハウスダストでアレルギー反応を起こす場合があります。ハウスダストによるアレルギー反応を防ぐには、こまめに部屋を掃除して、ほこりやダニが過剰に増えない状態に保つことが大切です。
紫外線や日焼けによる炎症
紫外線は皮膚のバリア機能を低下させ、乾燥や炎症を引き起こします。化粧水をつけてひりつきを感じる場合、紫外線による炎症が原因かもしれません。
「冬だから」「1日中屋内にいるから」といった理由で、特別な紫外線対策をしていない方もいるでしょう。しかし、日焼けを防ぐためには、季節や天気などに関係なく普段から紫外線に気をつける必要があります。帽子や日傘を使う、天気に関係なく日焼け止めを塗るなどの対策をとりましょう。
空気の乾燥
乾燥はバリア機能の低下を引き起こすため、うるおいケアが重要となります。秋・冬は特に空気が乾燥しやすく、肌の水分が失われやすい季節です。また、夏場であっても、エアコンによって肌は乾燥しやすい環境下に置かれているといえるでしょう。
空気の乾燥により肌の水分が蒸発してしまうと、皮膚のバリア機能が低下し、化粧水がしみる原因になります。乾燥を感じたら、体の内側と外側の両方から保湿しましょう。外側からの保湿ケアには、メイクの上からでも使えるミストタイプの化粧水がおすすめです。また、水分補給をこまめに行い、体の内側からうるおすことも大切になります。
マスクやコットンなどの摩擦
摩擦によるダメージを防ぐため、肌に触れるものの素材には注意しましょう。マスクやコットン、衣類や髪の毛などが肌とこすれることも摩擦を生む原因です。
摩擦によって肌がダメージを受けていると、化粧水を使ったときにひりつきを感じることがあります。スキンケアの際に肌の触り方に気をつけるだけでなく、日常生活のなかでも余計な摩擦を起こさないように徹底しましょう。
また、顔に直接触れるものには、コットン生地やシルクなど肌に優しい素材を選ぶようにしてみてください。
化粧水をつけた直後にヒリヒリとしみる場合の対処法
化粧水をつけた直後にヒリヒリとしみる場合、まずは肌を冷やしましょう。ヒリヒリと痛むときは肌が炎症を起こしている可能性が高く、冷やして炎症を落ち着かせる必要があるためです。保冷剤を清潔なタオルやハンカチなどで包み、ヒリヒリとする部分に当てて冷やします。
このとき、保冷剤を直接肌に当てるのではなく、布に包んで使用することが重要です。そのまま当てると、冷えすぎて凍傷を起こしてしまう恐れがあります。
また、肌にピリピリとした違和感があるとついかきむしりたくなってしまうかもしれませんが、その刺激がさらに肌の炎症を悪化させかねないため避けましょう。
化粧水でヒリヒリしたら見直したいポイント
ここまで紹介したとおり、化粧水でヒリヒリとするのは、肌のダメージやスキンケアアイテムに含まれる成分などが原因に考えられます。肌が弱っていると少しの刺激にも敏感になってしまうため、日常生活やスキンケア方法を見直すことから始めてみましょう。
化粧水で肌がひりついたときに見直したい5つのポイントを紹介します。
ストレスを溜めない
過剰なストレスによって自律神経が乱れると、肌トラブルを招きやすくなります。趣味の時間や適度な運動などでリフレッシュするよう心がけましょう。
通常であれば、交感神経と副交感神経がバランスを保ちながら、自律神経として体内を機能させていなければなりません。しかし、ストレスによって副交感神経が優位になると、血管の収縮や血行不良などが起こって体温低下につながるほか、ターンオーバーも乱れてしまいます。
ストレスを溜めないよう、心身ともにリラックスした環境で生活しましょう。日常生活でどうしてもストレスを溜めやすい方は、以下のようなストレス解消法を試してみてください。
バランスの良い食事を心がける
偏った食事をしていると、体に必要な栄養素が不足しやすくなり、肌のターンオーバーに悪影響を及ぼします。以下は、肌の健康状態を維持するために重要な栄養素です。
| 栄養素 | 特徴・役割 | 多く含まれる食材 |
| たんぱく質 | 肌の細胞を構成する | 肉や魚、卵、乳製品、大豆など |
| ビタミンA | 皮膚や粘膜の健康をサポートする | にんじん、レバー、卵など |
| ビタミンB6 | たんぱく質をエネルギーに変える働きを助ける | にんにく、鶏肉、カツオ、マグロなど |
| ビタミンC | コラーゲンの生成を促し、肌の弾力を保つ | じゃがいも、セロリ、いちご、キウイなど |
| ビタミンE | 肌の酸化を抑えるとともに、バリア機能を高める | アボカド、アーモンド、ほうれん草、大豆製品など |
| 亜鉛 | 酵素を作り、ターンオーバーを維持する | 牡蠣、豚レバー、赤身牛肉など |
これらの栄養素を意識的に取り入れ、バランスの良い食事を目指してみてください。
十分な睡眠をとる
睡眠不足も、自律神経に影響を及ぼしてターンオーバーが乱れる原因になるため、質の高い睡眠をとるようにしましょう。ターンオーバーを促す成長ホルモンは睡眠中に分泌されますが、睡眠不足が続くとその分泌量が低下し、ターンオーバーが乱れてしまいます。
睡眠の質を上げるためには、寝る前の30分はスマホやテレビを見ないようにする、軽くストレッチをするといった工夫が有効です。また、入眠から3~4時間経ったタイミングにターンオーバーが活発に行われるとされているため、日中も適度な運動を取り入れるなどして、深い眠りをとれるようにしましょう。
アルコールや喫煙を控える
アルコールや喫煙は、肌のターンオーバーを乱す原因となる活性酸素を発生させます。活性酸素はシミやシワ、たるみ、くすみなども引き起こす物質です。
活性酸素の生成を抑えるにはアルコールや喫煙を控えるのが理想ですが、難しい場合は「抗活性酸素」が含まれる栄養素の摂取を意識しましょう。抗活性酸素がある代表的な栄養素は以下のとおりです。
飲酒や喫煙をする人は、上記の栄養素や食材の積極的な摂取をおすすめします。
スキンケア方法を見直す
正しい洗顔や保湿ケアを徹底し、肌に過剰なダメージを与えないようにすることも大切です。忙しいからと保湿を怠ったり、汚れを落とすために1日3回以上洗顔をしたりなどの間違ったスキンケアは、肌のバリア機能を低下させる原因になります。
水分と油分のバランスが整った肌の状態をキープするためにも、毎日きちんと化粧水・乳液を使ってケアをしましょう。また、洗いすぎによって過剰に皮脂を取ってしまうと肌荒れの原因となるため、回数や洗い方にも注意が必要です。
化粧水がヒリヒリするときのスキンケアのポイント
化粧水で刺激を感じた場合には、肌に負担の少ないスキンケアアイテムへ変更する、洗顔の回数を減らすなどの対処法を試してみましょう。化粧水でヒリヒリしたときに意識したいスキンケアのポイントを紹介します。
敏感肌用など低刺激のスキンケアに切り替える
化粧水の成分が肌の刺激となっているようなら、パッケージに「敏感肌用」などと記載がある低刺激のスキンケアアイテムに切り替えましょう。以下は、安全性試験を実施している製品につけられている表記です。
これらの表記がある化粧水は、敏感肌の人でも刺激なく使いやすいものとなっています。成分表示にアルコールや保存料がないか注目するとともに、安全性のテストがされているかどうかもチェックしてみてください。
摩擦が起きないよう優しくケアする
顔を洗う際は、洗顔料をたっぷりと泡立て、手に力を入れずに優しく泡を転がすように洗うのがポイントです。汚れを落とそうと強くこすりすぎないようにしましょう。
また、化粧水を使う際にコットンでごしごしとこすってしまうと、摩擦が肌の刺激となり、ひりつきを感じやすくなります。肌が敏感になっているときは、手で肌を包み込むように化粧水をつける方法がおすすめです。
洗顔後に顔を拭く際も同様に、強い力でこすると肌に過度な刺激を与えてしまいます。柔らかく清潔なタオルを用意し、そっと当てるようにして水分を吸い取りましょう。
洗いすぎない
洗顔は、朝と晩の1日2回までが基本です。洗顔のしすぎは肌に必要な皮脂まで落としてしまうほか、顔に触れる回数が増えることで刺激となり、ひりつきを悪化させる恐れがあります。
また、洗顔料やクレンジング剤は、低刺激のものを選ぶことを検討してみてください。選び方に迷ったときには、洗浄力がマイルドなアミノ酸系のアイテムを探してみましょう。代表的なアミノ酸系成分は以下のとおりです。
低刺激の洗顔料やクレンジング剤を購入する際は、パッケージの成分表示を見てこれらが配合されているか確認してみましょう。
洗顔やクレンジング時に熱いお湯は使わない
洗顔やクレンジングの際は、33~35℃程度のぬるま湯を使います。入浴時にシャワーのお湯の温度でそのまま洗顔をしている方もいるかもしれません。しかし、シャワーを適温で浴びようとする場合、一般的には38~42℃程度となり、顔の皮膚には熱すぎるといえるでしょう。
熱いお湯を使うと、必要な皮脂まで落ち、肌がさらに敏感な状態になってしまいます。温度を調整したうえで、すすぎ残しがないように優しく洗いましょう。
ピーリングなどの肌に刺激を与えるケアを控える
ピーリングは少なからず肌の刺激になるため、肌が敏感なタイミングでの使用は逆効果です。ピーリングは古くなった角質を落とし、肌をなめらかにするためのケアアイテムです。
ただし、ピーリングは健康な状態の皮膚で使用することを前提に作られています。このため肌の角質層が薄くなり、刺激に敏感になっているときは使用に適しません。ピーリングによって、バリア機能をさらに低下させてしまう恐れもあります。
肌が健やかな状態になるまで、刺激を与えるようなケアは避け、敏感肌用の化粧水や乳液などで保湿ケアをしましょう。
化粧水でピリピリする原因と対処法:まとめ
化粧水によるひりつきは、肌のバリア機能の低下や刺激が強いアイテムを使っているために起こる現象です。化粧水をつけてヒリヒリとした痛みを感じたら、清潔なタオルなどに包んだ保冷剤で冷やして炎症を抑えましょう。
また、化粧水がひりつかないようにするためには、生活習慣やスキンケアを見直す対策が必要です。敏感肌向けに販売されている低刺激アイテムの使用や、摩擦の少ない優しいケアなど、肌に優しいスキンケアを意識しましょう。









