4月初め、例外的に暖かい日が続き、コロナも少し下火になったような感じで外出制限が緩和されましたのでミュンヘンから長男が子供二人(9歳と5歳)を連れて拙宅に2泊3日で遊びに来ました。グミュントからおよそ20km離れた郊外に自然保護区域に指定されているハイキングコースがあり、いいカメラアングルがあるかもしれないということで自称セミプロ写真家の長男は望遠などの嵩張る道具を担いでの同行となりました。
目的地はWeiherwiesen (ヴァイアーヴィーゼン)というところで、地名を直訳すれば沼草原ということになります。森の中をしばらく歩きましたら広々とした耕地に出て、さらに数百メートル歩きましたら自然保護区域に到着。左右に大小二つの沼が見えます。まずは大きな方の沼に沿って草地を歩きましたら夥しい数のヒキガエルに遭遇。折から繁殖期ということで殆どのヒキガエルが雌の上に雄が乗ったダブルパックでした。
「踏みつけたら絶対ダメだよ。足元に注意しなさい!!」と家内が孫二人のみならず小生に向かって再三注意。ここでカエルとヒキガエルの違いについて話し合ったのですが、日本語ではふつうカエルといえばアマガエルやヒキガエルを含むカエル全体を指しますが、ドイツ語ではヒキガエルを「Kröte」、スズガエルを「Unke」、その他を「Frosch」と言い分けます。ヒキガエルは特に身近なカエルのようで、普通のカエルに比して、跳躍はせずに這うように前進、体は細くなく太っている、皮膚は滑らかではなく、疣や凹みがある、乾いた地域でも生息できる・・・といった具合に家内や長男は即、ヒキガエルの特徴を畳みかけてきます。さらに家内が「ウチの庭の小池にヒキガエルがいればいいんだけどな・・・」などと言い出したのには驚きました。拙宅の庭は夜間アライグマが跋扈しますので土台無理な望みです。それにしても家内がヒキガエルが好きだとはついぞ知りませんでした。ハリネズミ、イモリ、ヒキガエルと続いて次は何が好きと言い出すのか、興味津々です。
沼の水際で、長男が最近調達した水中カメラを試していました。この沼の周辺はスゲの湿原で酸性の泥炭が蓄積しているため、水は褐色です(写真右:水中にヒキガエルが見えますか?)。あまり澄んでおらず、長男は思うような写真は撮れなかったようです。孫娘が肩越しに何か話しかけていますが、「あきらめたほうがいいよ」と言っているように思えます。
被写体はヒキガエルだけではありません。水中カメラをあきらめて散歩道で突然出てきたスべイモリを見つけ、バタッと腹ばいになって撮影したり、あまり見かけない鳥を目ざとく見つけてさかんにシャッターを切っていました。
自然保護区域で春の息吹に触れ、天候にも恵まれて快適な一日でした。なおこの二日後、次男一家と同じコースを散策したのですが、ヒキガエルはわずか一対しか見ることができませんでした。気温が大幅に下がったことがその原因でしょう。ドイツの4月は天気が不安定なことで定評があります。5月になってようやく春の到来となりますが、日本では初夏の候でしょうね。









