ドイツでは外出規制が相変わらず続いております。
よくしたもので蟄居生活が長引くにつれ、普段気づかなかったことや目にもかけなかったことが見えるようになってきました。こうなると本格的に隠居生活が始まったことを認めざるを得ません。コロナのせいで心境の変化が益々顕著になります。
先月のコラムでは拙宅の庭の植物について記しましたが、4月に入って動物が出回り始め、俄然庭に活気が感じられるようになりましたので、動物について記します。
まずイモリです。先月中旬家内が池の中を上下する尻尾のちぎれたイモリを目ざとく見つけ、「誰に噛み切られたのだろう?そもそもイモリの数が春なのに少なすぎる…」などと首をかしげていました。エサをばらまくと、普通ならすぐに複数5~6匹のイモリが水面に現れるのですが、ほとんど見られない…「はて?」と訝っていましたが、翌朝池の周囲の大きめの平らな石の上に濡れた跡があり、大きさからしてアライグマと断定しました。これはまずいというので物置から2mほどの木舞を2本取り出して池の上に置き、その上に軽い金属の格子を4つ置いてみました(写真参照)。
そしてさらにその翌朝、池のまわりの石の上にはアライグマの足跡はありましたが、池の中に入り込むことはしなかったようで、ひとまず安心したのですが、アライグマもバカではありませんので油断は禁物です。とりあえず先方の出方をみようということになりました。このアライグマ、イモリを襲うだけではなく、夜な夜なハリネズミの餌を盗もうとしていることが深夜カメラで判明しました。愉快なので以下に添付します。
ハリネズミの餌箱のサイズは幅40㎝奧行30㎝高さ30㎝で入口の大きさは高さ12㎝幅10㎝です。アライグマの大きさは大体お分かりいただけるかと思いますが猫より二回りほど大きく、どう体を縮めても餌箱に入れるわけがありません。ならばというので諦めずに前足を突っ込んで懸命に餌をゲットしようとするのですが不成功に終わりました。愛嬌のある動物で滑稽な姿は笑えます。この写真の撮影は午前0時47分とありました。なおアライグマが去ったあと出てきたハリネズミの写真を添付しました。まだ成長しきっていません。
次はカラスです。ある日の夕方、野鳥の水飲み場として置いてある石の中にトーストが一枚浮いているのを家内が発見。隣にボサッと立っている小生に「これ、アンタの仕業?なんか理由あるの?」と詰問。「いいかげんにしろ! いくらなんでもこんなバカげたことはしないぞ!」と怒りましたら、「アンタと私以外、庭に入ってくる人間はいないんだ。動物がトーストを水に投げ入れるなんてありえない…」とお互いを疑ったまま翌朝水入れを見ましたらトーストがありません。「おかしいな…カラスかな…でもウチの庭にはカラスはめったに来ないし…そもそも何のためにトーストを水に入れたのだろう…」と家内は独り言をつぶやいていましたが夕方、水飲み石から5m離れたところにある少し深めの別の水飲み石にバゲットの先端が浮かんでいます。ここにきてやっと家内に閃いたのが、「カラスが非常に固くなったパンをどこかから盗んできた。しかし固すぎるので水に浸し柔らかくしてから喰った」という仮説です。これがどうやら正解で、翌朝カラスがふやけたバゲットをつついているところを小生が目撃、たらふく喰らったカラスが去って数分後、今度はカササギがやってきまして、その後クロウタドリ、最後にスズメが三羽と続いてバゲットはほぼなくなりました。ここで家内が感心したのは、カラスがイモリのいる池に固いパンを投げ込まず、水飲み石に入れたことです。池に入れるとパンが沈んで取り出せなくなることをカラスは理解していたというのです。「随分人生経験いや鳥生経験が豊かなんだな…」と妙に感心していましたら家内は「感心してる場合じゃないよ。パン屑が崩れて水が濁ってしまうのはよくない。とにかく水を即除去するしかない」と言うが早いか、水飲み石を強引にひっくり返しました。そしてそのまた翌朝、カラスは来ませんでしたがカササギが菓子パンの大きなかけらをどこかから持参し、水飲み石に入れようとして水がないことに気づき、かけらもろともどこかへ飛び去ってしまいました。写真は前日に撮ったカササギでこの鳥は日本に生息しないようです。濃紺と白のツートンカラーで、見た目はシックな鳥です。日光の当たり具合で濃紺が別の色にみえることがありますが写真のカササギは同一の鳥です。浮いているバゲット、おわかりですか?写真は昆虫除けの網戸越しに撮りましたので網がかかっています。どうかご了承ください。









