先月下旬、拙宅の庭を見ていて「今年は特に黄色い花が多いな…」と感じましたので調べてみました。例年ですとオトギリソウ、モウズイカ、マツヨイグサぐらいですが今年は観賞植物が加わっていました。
まずはオトギリソウ(Johanniskraut学名:hypericum)から。この花は確かに毎年6月24日前後に花を咲かせています。このハーブの特徴は花を指で擦りつぶすと指が暗赤色になります。赤は活動力と意志力の色ですのでこのハーブは鬱病に効能があるということで実際ドイツやオーストリアでは今でも民間療法として広く服用されています。
次はモウズイカ(Königskerze学名:Verbascum)です。直訳すれば「王のロウソク」で直立した容姿から納得できます。乾燥させた花の部分のティーは風邪の際の去痰に用いられます。写真を撮ろうとしましたらモウズイカに絡んでいるケムシを見つけました。羽化すればきっときれいな蝶になるのでしょう。
3つ目はマツヨイグサ (Nachtkerze学名:Oenothera)です。小生にとっては『宵待草』なのですが、正しくはマツヨイグサだそうで、いづれにせよこの花は夕方開花し始め、翌朝萎んでしまいます。写真は夕方20時半ごろ撮りました。中央部に雨に濡れながら開いた花二つ、その上方には多くの尖った蕾、右上にはすでに萎んだ花が見られます。
しかし改良(?)されたマツヨイグサもありまして、これは夜ではなく日中花を咲かせ、花の高さも膝ぐらいで、全体的に小ぶりで萎んだ花もさほど見苦しくありませんので人気があるようですが、これではマツヨイグサではなくマツアサグサです。
4つ目は何だかお分かりになりますか?
黄色いアキレア(Schafgarbe 学名Achillea)なのです。アキレアの花はふつう白ないし淡いピンク色で、黄色というのは見たことがありません。「なんで黄色いアキレアがあるんだよ?」と家内に聞きましたら「観賞植物だからだよ!赤とか他の色のもあるよ!」との返事。拙宅の庭の植物はハーブが主だと思っていましたが、どうやらそうでもないようで上記の日中咲くマツヨイグサも観賞植物ということになります。
最後、5つ目はオオグルマ(Alant学名Inula)です。日本では馴染みがないかと思いますが、ドイツでは咳止めのハーブとして用いられています。拙宅の庭ではかなり目立つキク科植物で舌状花弁が細長く、太陽光線を連想させます。
このあと、黄色い花の開花はカレンドラ、ひまわりと続きます。本格的な夏の到来はこれからです。(2023年7月)